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アデル/ファラオと復活の秘薬

2010/フランス/アスミック・エース
出演:ルイーズ・ブルゴワン マチュー・アマルリック ジャッキー・ネルセシアン ニコラス・ジロー 
監督:リュック・ベッソン
http://adele.asmik-ace.co.jp/

偏差値:57.5 レビューを書く 読者レビュー(2)

≪リュック・ベッソン コメント≫
●『アデル/ファラオと復活の秘薬』について
 映画ごとに体験は異なる。ストーリーも違えば、登場人物も違うし、役者も違えば、出会う人も違うからだ。また、いつ映画を作ったかによっても違う。初めての作品であれば、何もかもが新しい。『最後の戦い』(83)を作ったのは、私が20歳の時だった。同じ人間でも、25〜30歳、40歳、50歳では違うものだ。精神的にも発達し、知識も増えると、実体験との間に説明のつかない魔力のようなものが働くことがある。1本の映画を撮り始めるとき、大事なことは、自分が経験をいかに生かしながら、それでもなお新しく新鮮な解釈を持てるかだ。それはいい作品を生み出す上で欠かせない。新しい映画といえる本作は、自分にとって新しい体験だった。クランクインまで土台作りにかなりの力を注ぎ、前段階の準備を大事にした。今回初めて製作に手を出さなかった。妻のヴィルジニー・ベッソン=シラを製作に迎えたことも、そのおかげで私は監督に全エネルギーを注ぐことができたので、楽しい体験になった。私は要求が厳しい。いつでも自分の持てるかぎりのものをすべて注ぎ込む。この映画を限りなくよいものにしたかった。編集している時は、「楽しい」の一言だった。至高の楽しさだった。

●新女神<ミューズ>ルイーズ・ブルゴワンの魅力について
 フランスのケーブルテレビ局、カナルプリュスの異色のお天気キャスター時代から、アンネ・フォンテーヌ監督作"La Fille de Monaco"(08)でのファブリス・ルキーニとの共演まで、ルイーズには前から注目していた。全く異なるキャラクターを幅広く演じられるのが彼女の魅力だ。その器用さは滅多にない才能であり、そこが今回冒険を進める中で「変装」を繰り広げるアデルという役に打ってつけだった。実際、ルイーズ・ブルゴワンに会うと、すぐに打ち解け、私はアデルが見つかったと確信した。ルイーズは頭がとても柔らかく、機敏で、一瞬のうちにがらりと印象を変えられる。アデルほど過激ではないが、まさにアデルだ!と感じた。それに仕事も熱心で、十分に信頼もできる。彼女が関わると、一筋縄ではいかなくなる。彼女が自分のやり方を貫き、何があっても曲げないからだ。現場では、ルイーズはスタッフから「会計士」というあだ名を付けられていた。絶えず台本や撮影リストをチェックしていたからだ。完全に頭に入っていたね。ルイーズとの仕事は、本当に目を見張るものがあった。


≪ルイーズ・ブルゴワン コメント≫
●リュック・ベッソン監督との出会い
 ある日リュック・ベッソン監督のアシスタントから電話をもらい、「リュックと会ってくれないか」と打診されました。その時はそれ以上の話は何もありませんでした。翌日会ってシナリオを渡され、その日の夜に読み、早速、リュック・ベッソン監督にお電話をして、「ぜひやらせて欲しい!」と言ったんです。翌日、改めてリュックに会った時に「アデルは君だよ!」と言われました。24時間・・・あっという間の出来事でした。私の未熟な映画経験にも拘らず、リュックが信頼してくれて、こんなに豊かな役を負かされたことはとても誇らしいことだと思っています。リハーサルが待ちどおしく感じられました。リュックは完ぺき主義者で勤勉な人です。そんな彼の作品を数ヶ月かけて準備できたことはほんとうに大きな喜びでした。

●リュック・ベッソン監督との仕事
 一日に3時間しか睡眠をとらずに撮影に全力を注ぎ、家族、スタッフ、キャストのために惜しまず時間を割き、常に集中を絶やさず、レンズをから目を離さないスーパーマンが目の前にいるわけですから、私もそれに応えなければなりません。リュックとの仕事は全てにおいて私にとって素晴らしい経験になりました。私たちは"アデル"というキャラクターをつくり上げるために沢山の作業を行いました。まずは外観を整える作業です。歩き方一つにしてもキビキビした歩き方を工夫しました。役柄については、撮影に入る前にシナリオを全部を頭にいれて、特に自分の台詞は"これでもか"というくらい何回も何回も練習を繰り返しました。リュックは、「傍で僕が何をしようと惑わされずに台詞を言えるかどうか、もし言えなかったらそれは僕のことを分かっていないからだ」というんです。それで、私が台詞を言いながら歩いていると、傍でヘンな声を出して私の集中力を削ごうとするのです。彼はとてもいたずら好きで、彼のいたずらはよく分かっています(笑)

●リュック・ベッソン作品における、"アデル"というヒロインについて
 リュックのアデルは、原作のアデルより親しみやすいキャラクターだと思います。ヒューマンで、豊かな感性を持ち合わせた人物です。ストーリーが進むにつれて、彼女があることに傷つき、自分の弱みを隠そうとしていることに気づきます。彼女は粘り強く、無遠慮で、ほろりとさせ、率直で、そしてとてもユーモラス、女性版インディ・ジョーンズのように波乱万丈な冒険をします。彼女のように勇敢なヒロインを演じるのはとても気持ちの良いものです。この類の映画では、女性は男性に対して魅力的に描かれるだけでステレオタイプになりがちですし、ほとんどは男性主人公のお飾りとして描かれます。でもリュックの作品では最初から最後までヒロインがストーリーを操っています。こんなステキな役どころはめったにありません。


<STORY>
「妹の命の為に、ミイラを甦らせ ≪復活の秘薬≫を手に入れる??」
舞台は20世紀初頭のパリ。妹を助けるため、古代エジプトに伝わる≪復活の秘薬≫を追い続けてきたアデル。
同じころ、パリでは、国家を揺るがす"翼竜プテロダクティル事件"が勃発!
ジュラ紀の化石から翼竜プテロダクティルスが孵化、パリの空を飛びまわり、人々を脅かしていた。
だがその異変は、単なる序章にしか過ぎなかった......。"プテロダクティル事件"と"復活の秘薬"の重大な関係を突き止め、ルーヴル美術館に駆けつけたアデルを待っていたのは??。
エジプトからパリへ!リュック・ベッソン監督が贈る<ヒロイン×アドベンチャー超大作!>

7月3日(土)丸の内ピカデリー1 ほか全国公開

古いギャグがかえって新鮮『アデル/ファラオと復活の秘薬』で正統派ヒロイン像が復活

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2010年6月8日(火)、豊洲にて『アデル/ファラオと復活の秘薬』のジャパンプレミアが行われ、PRのため来日していたリュック・ベッソン監督とルイーズ・ブルゴワンが舞台挨拶に立った。