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Alice in Wonderland
2010/アメリカ/ディズニー/109分
出演:ジョニー・デップ ミア・ワシコウスカ ヘレナ・ボナム・カーター アン・ハサウェイ アラン・リックマン マイケル・シーン スティーヴン・フライ クリストファー・リー 
監督:ティム・バートン
http://Alice-movie.jp

偏差値:58.5 レビューを書く 解説

別に3Dでなくても… [70点]

3D・吹替版で鑑賞したが、本作を果たして今流行りの3Dにする必要があったのだろうか。

現実世界での3Dは抑え目と言うかほとんどないに等しく、ワンダーランドで3Dを活用することにより異世界の雰囲気を出してはいるが、『アバター』を観た後では驚くような3Dの映像には出会えなかった。

またアニメーション版と比べるとストーリーが単調で、大きな山場になるはずのところが意外なほどあっさりと進むためハラハラドキドキすることもなく盛り上がりに欠けているような気がしてならなかった。

ダークな世界の画面の暗さも3Dを観る上では気になってしかたがなかったが、もっともこれはマイカルの3Dの上映方式である「Real D」の欠点によるところが大きく、3Dメガネによる暗さから映像のメリハリがなくなり、色彩も美しいとは言い難くなったため、これなら安くて明るい2D版を観るた方がよかったのではないかと思ってしまった。

アメリカでは『アバター』を超える勢いでヒットしているとの報道もあるが、少なくともストーリー的にはごく普通であると思った『アバター』の方がまだ本作よりもストーリー意外性や壮大さがあり、奥行きを感じる3D映像も楽しめた。

アリス役のミア・ワシコウスカがアリスらしくないとか可愛くないとか言う方もいるようだが、成長しジャバウォッキーと戦うために甲冑を纏ったアリスは凛々しくてなかなかよかったのではないだろうか。(ただし戦い方はあまり強そうには見えなかったが(笑))

ジョニー・デップはシリアスな演技も本作のマッド・ハッターのように弾けた演技も似合うのだが、さすがに本作のメークアップはちょっとやりすぎのような気がする。まあ『チャーリーとチョコレート工場』のキャラクターも似たようなもので、このワンパターンもジョニー・デップの魅力の1つなのだろう。

白の女王役のアン・ハサウェイの常に手を広げて漂うように動く姿はそれなりにいいのだが、役柄としての印象よりも白の女王なのにくっきりとした黒い眉毛と黒い唇と大きな瞳がやたら目について、白よりも黒の印象が強い感じたのは私だけだろうか。

一番似合ってたのは赤の女王役のヘレナ・ボナム・カーターであるが、高慢ちきで癇癪持ちでワガママな女王になりきっていたし、頭が異様に大きなその独特のキャラクターには久々に笑ってしまった。

それにしても最近のティム・バートン監督はどうしたのだろう。作品にもよるが以前のバートン調が少し違った方向に向かっているのではないだろうか。
それはティム・バートン監督が年齢を重ねたからなのか、それとも観ているこちらが年齢を重ねたのが原因なのかもしれないが、以前のようなダークな面白味が半減しているような気がしてならない。

本作ではアニメーション版のアリスやそれを取り巻くキャラクターをティム・バートン監督なりの解釈で生かそうとはしている。
しかし初の3D映画で小さな子供も楽しめるよう万人向けの作品にしたためティム・バートン監督の本来の持ち味が薄まったのは仕方がないところか。

本作を子供連れでも楽しめるティム・バートン監督作品として割り切ることは簡単だが、次回作では例え万人向けではなくても、これぞ本来のティム・バートン監督作品だな、と唸ることができるような作品を観せてもらいたいものである。

2010/05/31 19:58

kira

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