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息もできない

2008/韓国/ビターズ・エンド
出演:ヤン・イクチュン キム・コッビ イ・ファン 
監督:ヤン・イクチュン
http://www.bitters.co.jp/ikimodekinai/

偏差値:61.7 レビューを書く

暴力と愛、そして家族 [90点]

※ネタバレを含むレビューです。
 幼き頃、妹を父に殺され、母はそのすぐ後に交通事故死、そんなサンフンはグレて当然といえば当然。出所してきた父にも殴る蹴るの暴行三昧。だが、彼の異母姉の子だけは可愛がる。
 一方、母を亡くし、ベトナムに行っていた父はやや痴呆ぎみ、金をせびるだけの弟の面倒をみている女子高生ヨニ。
 家庭の事情はまったく知らぬまま、二人は幾度となく会うことになる。たぶん、最初に出会った時から互いにしかわからない“苦しみ”を感じたのではないか。
 全編に亘って暴力に溢れた作品である。だがそれは、北野映画のそれとは何か違う。彼らにとって暴力は自らのアイデンティティなのだろう。前半では「怒り」の権化だったような男も、人の愛を知り、ふれあいによって徐々に変化をみせていく。そんな不器用な男の感情の過程を描いた作品。

2010/04/18 01:06

ぼんぼん

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