Around the World in 80 Days
1956/アメリカ/169分
出演:デヴィッド・ニーヴン カンティンフラス シャーリー・マクレーン ロバート・ニュートン
監督:マイケル・アンダーソン
製作:マイケル・トッド
原作:ジュール・ベルヌ
音楽:ヴィクター・ヤング
偏差値:65.0 レビューを書く
映画史上最も豪勢なコメディ映画 [100点]
このレビューはネタバレを含みます
19世紀初頭のイギリスで、「80日間で世界一周できるか」という賭けに勝つため、英国紳士が実際に全財産をなげうって80日間で世界を一周すべく旅に出る話です。時計みたいに几帳面な英国紳士役をデビッド・ニーブンがコミカルに演じ生涯のハマリ役になりました。
もう本当に楽しくて面白い映画です。僕はもう何十回と見てますけどいまだに面白いし、大好きですね。おそらく映画史上最も豪勢なコメディ映画といえるのではないでしょうか。なんと世界中をロケしてますから。「トッドAO」という魚眼に近いかなりの広角レンズで雄大な大地を思う存分に堪能させてくれます。ロケ代だけでどれだけかかってることやら。プロデューサーのマイケル・トッドはこれ一本だけで映画史にその名を刻みました。
思い立ったらすぐに旅に出るところが男心をくすぐられます。僕もアドベンチャーが好きなので。イギリスに始まり、フランス、スペイン、エジプト、インド、ミャンマー、香港、日本、アメリカと旅していくのですが、フランスで気球に乗り、インドで象に乗り、アメリカでトロッコに乗るなんてロマンがあるなあ。日本とアメリカの間で途中休憩が入りますが、何と言っても見せ場はアメリカのシーン。大陸横断鉄道にロマンをはせて、インディアンと戦ったり、もう娯楽満載!
南アメリカ大陸には行きませんが、その代わり、チャップリンみたいなメキシコ人のコメディアン、カンティンフラスが召使い役(原作ではたしか中国人だったはずですが)として大活躍します。(ただしこの映画には黒人は出て来ませんが)
「カメオ出演」という言葉が定着したのはこの映画から。数十名という映画スターが旅の途中で主人公たちと出会います。フランスにシャルル・ボワイエが出て来たり、インドにロナルド・コールマンが出て来たり、日本にピーター・ローレが出て来たり、アメリカにバスター・キートンが出て来たり。顔のアップが写った瞬間に「あ!」と驚かせる演出です。映画ファンなら思わず「待ってました!」と叫んでしまいそう。スターを探せ的な楽しみ方があって、ソウル・バスのエンドクレジットで誰がどこに出ていたかオシャレに答えが明かされます。スターをちゃんとスターとして立たせて描いているところがニクイと思いませんか。
蛇足ですが、ジャッキー・チェンはこの映画が一番好きな映画だとか何とかずっと以前から公言していましたが、まさかリメイク版で召使い役をやるとは思いませんでした。
2010/02/09 02:33