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トイ・ストーリー

1995/アメリカ/ディズニー/81分
出演:トム・ハンクス ティム・アレン ドン・リックルズ ジム・パーニー ジョン・ラッツェンバーガー アニー・ポッツ ウォーレス・ショーン 
監督:ジョン・ラセター
脚本:ジョス・ウェドン、アンドリュー・スタントン
音楽:ランディ・ニューマン

偏差値:65.0 レビューを書く

CGアニメーションの原点 [100点] [参考:1]

今となっては当たり前になったフル3DCGアニメーション映画。その原点がこの『トイ・ストーリー』でした。原点という肩書きに全く恥じない傑作です。

僕はこれを今から15年前に映画館で見ましたが、当時はあまりの凄さに目ん玉がぶっとんだものです。今回、これが特殊なメガネをかけて見ると立体的に見えるデジタル3D映像となってリバイバル上映されることになりました。

おもちゃたちは小さいけれど、おもちゃの目から見た世界は何もかもがものすごく大きなスケールで描かれているので、立体映像で見ると、子供部屋の天井の奥行きにさえも圧倒されます。僕もまるで初めて映画を見るかのように、リバイバルを体験させてもらいました。今見ても全く古さを感じません。それどころか始まったところから最後まで、なんて素晴らしいんだろうと、とにかく感動で目頭が熱くなるばかりでした。ピクサーは常にここに帰るべきであり、初心を忘れてはならないでしょう。

思えば初めて見た時は、実写みたいにリアルな映像の質感に驚き、当時は3DCGがもの珍しかったこともあって、映像ばかりを見ていたものでした。しかし今こうして15年ぶりに見てみると映像よりもむしろストーリーに着目して、実はストーリーが映像以上によくできたものだとようやくわかりました。CGがどうのこうのという以前に、本当の意味で傑作だったのです。

登場人物が全部いいです。カウボーイのウッディがバズに嫉妬するところも良いし、バズが本当のヒーローになりきってるところも微笑ましい。内気の恐竜も、貯金箱の豚も、小さな兵隊たちも、伸縮自在の犬も、みんなみんな愛すべき仲間達ばかり。おもちゃが子供が見ていないところで生きているなんて、なんて夢のある話でしょうか。

おもちゃたちが、アンディ少年に愛されているところに喜びを感じているところ、泣かせます。足の裏にANDYと書かれていることに誇りを持っていること、ただこれだけのことがこんなにも胸にキュンとくるなんて。アンディが夢中でおもちゃで遊んでいるシーンを見ているだけで、なんだか幸せな気持ちになってきて泣けて来ます。

おもちゃたちがとてもけなげで、命懸けでがんばっている姿には胸を打たれました。カーアクションのシーンでは、アンディを必死で追いかけるウッディとバズのひたむきな姿に思わず涙。あのシーンは、まさにクライマックスといえる素晴らしいシーンです。

CG映画の原点にして、間違いなく最高傑作だと思います。

2010/01/28 07:08

シネマガ管理人

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