鳥

映画『鳥』の恐怖 [100点] [参考:2]

『鳥』かぁ、ヒッチコックの名作ですねぇ。ヒッチコック作品のどれが一番好き？と聞かれたら、『鳥』か『サイコ』かどちらかという方が多いのではないかと思います。(そういうフォーラム立ててみようかな）。

『鳥』はヒッチコックの作品中でも異色です。ヒッチコックに限らずサスペンスの基本は、危機の打開、理不尽さからの脱出。要は、わけのわからない危機的状況に投げ込まれた主人公が、必死に努力して原因を究明し、自分を取り巻く理不尽な状況から生還する。そのプロセスを観客は期待しているのであって、もともと観客は主人公が生還することを知っていて、そのハラハラしてホッとする感覚を楽しんでいるわけです。

しかるに、『鳥』だけが、理不尽さを理不尽のまま突き放してしまって、取りつく島もない。人間を襲うのが鳥である必然性もなかったんじゃないかと思います。ある日、突然思いもかけないもの、日常ありふれて接してきたものに襲われる。その理由も原因も解決の糸口がどこにあるのかもまったくわからない突き放された状況の恐怖。それこそをスクリーンの中につくり出したかったんでしょう。

登場人物たちにとっては、全くもってとんでもない事態であって、何もわからない状況の中でガソリンスタンドは爆発し、家の中に鳥が殺到し、頭からつつきまわされるのです。理由を知りたがるのが本性の人間としては、この”わからない”と言うことほどストレスのたまることはありません。何とか”なぜ”を知ろうとする。しかし、わからない。そうすると、仕方がないから自分の経験と知識の範囲内で理屈化しようとする。もしくは誰でも良いから他人のせいにする。そういう、”わからないこと”に対する恐怖とむなしい自己防衛行動をヒッチコックはきわめて的確に描いていますね。

登場人物だけでなく、観客にとってもそれは同じで、映画の最初から最後まで皿のように目を見開いて眺め回しても何もわからない。そうすると、観客は登場人物に感情移入する余裕すらなく一体化してしまう。ともに”わからないこと”に対する恐怖を味わってしまう。

だから、この映画すごく心地悪い映画なんですよ。すっきりしない。決着感がない。それだけに見終わってもいつまでも記憶に残るんですね。やっぱりヒッチコックは天才だと改めて納得する傑作でした。

ちなみにですね、『鳥』のリメイクについて。現物を見たわけじゃないので完全に下衆の勘ぐりですけど。よほどの才能ある監督でない限り、”鳥が人をつつき殺すという行為”が思い切りクローズアップされるものと思われます。そうすると何がおきるかというと、”最新のCGを駆使していかにリアルに人が襲われる映像を作るかが”一番重要になりますよね。しかし、そんなものがいくらリアルであってもオリジナルの『鳥』が持つ恐怖、不気味さの足元には及ばないと思われます。それは、クロロネマさんがいみじくもおっしゃっているとおり、「全く別の作品」ですから、まだ見たことのない方は、間違ってもリメイク版を先に見たりせずに、まずオリジナル版を見ましょう。いや、ホント。

2008/04/23 16:38 (2008/05/02 21:00修正)

frost

鳥、鳥、鳥 [70点] [参考:1]

ある日突然鳥の大群が人を襲い始める映画です。たぶん初めての動物パニック映画とか言われてます。

ただ単に鳥が人を襲うシーンよりも、ジャングルジムにカラスが徐々に集まってくる沈黙のシーンや、家に侵入しようとしてくるカモメの大群を鳴き声だけで表現するシーンとかの方が想像力を掻き立てられて、より恐怖を感じました。

最近ビデオ屋に行ったらリメイク作品がおいてありましたがたぶん劇場未公開です。今度ナオミ・ワッツ主演で再びリメイクされるそうなので、古い映画なんて見たくねーよって人はそちらをどうぞ。たぶん全然違う作品になるとは思いますが。

2008/04/17 12:45

chanandolar

現代にも通じるハードボイルド時代劇『必死剣鳥刺し』

2010年7月5日(月)、丸の内TOEIにて、『必死剣鳥刺し』の完成披露試写会が行われ、出演の豊川悦司、池脇千鶴、吉川晃司、村上淳、関めぐみ、岸部一徳、監督の平山秀幸、主題歌のalanが舞台挨拶に立った。

鳥居みゆきがエレベーターに閉じ込められる

2009年9月9日（水）、御茶ノ水にて、『悪夢のエレベーター』の試写会が行われ、鳥居みゆきが「耐久試写」のため、エレベーターに2時間閉じ込められた。

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