2009/日本/東京テアトル/70分
出演:黒木メイサ 菊地凛子 佐伯日菜子 藤木義勝
監督:押井守
http://assault-girls.nifty.com/
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極私的名作 [85点]
僕はすごく好きなのだが、どうも他人に薦めたいと思わせる作品じゃない。極私的名作という奴だ。押井監督がうらやましい。自分で好きな映画を自由に作れる環境を持っているのだから。普通の監督なら、こういう映画を作りたくても作らせてもらえないだろう。この映画はいかにも「押井監督ならば」という感じで作らせた映画。監督ならではの美意識のこもった画的かっこよさは、同じ感性を持つ人にはたまらなく魅力であろう。
「エンカウント」、「パーティ」、「セーブ」といったゲーム用語がこれほど劇中に登場する映画は他にない。戦士や魔導士が出てきて戦うところも、テレビゲームが大好きな人には一発でわかる話だが、その世界を知らない人にはわけがわからないだろう。でもいいと思う。わかる人だけがわかれば、その目的は達成されたと言えるから。オタクというものは、一般人がわからない専門用語をがしがし使って、よく「ついていけない」といわれるけれど、そういうウンチクは、知っている人には非常に心地よいものである。
バイオハザードと比べてみると、バイオハザードは一般向けにわかりやすく作られているが、アサルトガールズはもっとコアユーザー向けにあえて難しい言葉もそのまま出している。主人公がなぜ戦うのか、その理由は簡単で「レベルアップしたいから」。しかしこれはゲームをやっていない人には理由もさっぱりわからないだろう。
CGは決してリアルではないが、それでいい。そもそもゲームの中なのだから、リアルである必要はないのだし。押井監督の女性趣味もよく出ていて、こういう私的世界観もなかなかマニアックでいいではないか。
2011/03/26 22:36
シネマガ管理人
12月19日(土)、新宿にて『アサルトガールズ』の初日舞台挨拶が行われ、押井守監督(58)、黒木メイサ(21)、菊地凛子(28)、佐伯日菜子(32)、藤木義勝(45)が登壇した。