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2009/アメリカ/20世紀フォックス映画
出演:サム・ワーシントン シガーニー・ウィーヴァー ゾーイ・サルダナ スティーヴン・ラング ミシェル・ロドリゲス ジョヴァンニ・リビシ
監督:ジェームズ・キャメロン
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ジェームズ・キャメロン、雲の上の存在に [98点] [参考:2]
これまで沈黙してきたジェームズ・キャメロンが放った作品が、『タイタニック』の興行成績歴代ナンバー1記録を抜いて1位の座につきました。怪物を超えられるのは怪物だけだったということですね。こだわりつづけた3D映画をこの一本だけで一気にメジャーにしました。その功績は大きいです。
しかし、CGだけで、もうこんなことまでできるようになったんですね。ほとんどがCGによるアニメーションですけど、実写といっても信じられるくらい青い宇宙人の表情は素晴らしかったです。僕の友達も最後までメイクだと勘違いしてました。アカデミー賞には最多ノミネートでしたがメイクアップ部門だけノミネートされなかったのはそのため。
異星人同士の恋物語と聞いて、最初は「うげえ、見たくねえ」と思ったものですが、あら不思議、見ているとこっちまで共感しちゃって本気で異星人に恋してしまうんです。ラブシーンもとっても素敵です。映画を見てここまで没頭、というか陶酔させられたのはなかった。
「これからの映画はそこにいる映画」というのが本作のキャッチコピーだったと記憶していますが、本当にそこにいるような気分になりました。惑星パンドラの映像の美しさには息をのむばかり。昼間のシーンの森の瑞々しいきらびやかな美しさも素晴らしいですが、夜間のシーンの蛍光色に輝く植物にもうっとりしました。触れると光る植物など、ワンシーンワンシーンの惑星の世界観のアイデアに驚きます。CGの作りこみに関しては、まったく妥協を許していません。俯瞰映像の奥行き、映像のきめ細やかさ。ブルーレイも丁寧に製造しているようで、他のブルーレイとは比べ物にならないほど綺麗です。ブルーレイの性能をみるため、家電量販店ではよくサンプルとして再生されてますね。
一番気にいっているのは空を初めて飛ぶシーンですが、このときの二人のカップルがすごく良い表情をしてるんですよね。もう胸がキュンとなります。そしてダイナミックにスクリーンを行き来するカメラの動きのなんという迫力。壮大な音楽も映像にマッチしていました。
映像だけでも十分楽しめますが、ストーリーもよく考えたものです。一見よくあるバーチャルリアリティものに近いですけど、今回の場合、寝ているときも起きているときもどちらも現実です。足が動けない主人公が、アバターでは足が動く。この気持ちよさ。寝ているときはアバターを動かしているので、つまりは実質寝ていないところが面白い。うらやましすぎます。一回目見たときはストーリーが弱いと思ったけど二回目見るとむしろ感心させられることの方が多かったです。
一回目、あまり面白いと思わなかったのは、字幕版を見たからかもしれません。3D映画に字幕がついたのは本作が初めてでしたが、字幕が飛び出した被写体を避ける様に表示されていたのが気になりました。また、字幕版は台詞がだいぶ省略されていたし、字幕を見ていると、映像にディテールまで目が追いつかなくて、本作の本当の良さに気づきませんでした。字幕と被写体の奥行き的な視差も結構きつかったです。吹き替えで見て、初めて映像に圧倒されたので、これはぜひ吹き替えで見て欲しいです。
2010/08/25 02:59
シネマガ管理人
『アバター』ジェームズ・キャメロン監督、『ナウシカ』の影響を示唆
2009年12月21日、六本木にて、『アバター』のジャパンプレミアが行われ、ジェームズ・キャメロン監督とプロデューサーのジョン・ランドーが登壇。滝川クリステルが花束ゲストとして登場した。