2009/日本/東宝
出演:藤原竜也 天海祐希 香川照之 山本太郎 光石研 松山ケンイチ 松尾スズキ 佐藤慶
監督:佐藤東弥
原作:福本伸行
脚本:大森美香
主題歌:YUI
http://www.kaiji-movie.jp/
偏差値:54.3 レビューを書く
這い上がれ人生ダメ人間 [75点] [参考:1]
原作の漫画は未読なのでこの映画だけの感想となるが、予告編から受けたスケールの大きさを本編からはあまり感じることができなかった。
主演が藤原竜也だからどうしても『バトル・ロワイアル』や『デスノート』と比べてしまうのだが、それらと比べるとこの作品の敵はスケールが小さすぎるしあまり魅力を感じない。
カイジが参加する人生逆転ゲームの主催者が大企業とはいえサラ金であり、しかもアンダーグラウンドで行っているのを10数名の金持ちだけが見ているという設定ではなんだかチマチマした印象が残ってしまう。
例えばこれを日本国が主催し、国民の不満感のはけ口として全国に生中継しているとしたならば映画を観ているこちらもスケールの大きさを実感できたような気がする。(そうすると『バトルランナー』になってしまうか。)
設定は原作どおりなのかもしれないし、あまり変更しすぎると原作ファンから反感を買う恐れもあるが、せっかくの映画化なのだからもっと大風呂敷を広げてもよかったのではないだろうか。
カイジを演じていた藤原竜也は熱演である。熱演し過ぎて絶叫する場面ではセリフが聞き取れないところもあったが(笑)、人生ダメ男のカイジを上手く演じていたと思う。
香川照之も相変わらす上手い。ただ心理戦である第3のゲームでは彼の心の声が口に出さないセリフとして延々と語られるのがいささかくど過ぎるような気がした。
天海祐希はやはりこういったアネゴ的な役が似合うなあ。『アマルフィ』の耐える母親役もいいけど、さすがは宝塚の男役トップだっただけあって、本作では気持ちがいいくらいの啖呵を連発してくれる。
惜しいのがサラ金の会長役の佐藤慶である。最初は誰だか分からなくてしばらくして佐藤慶だと気づいたが、原作に似せたと思われる長い白髪と髭が邪魔して佐藤慶の持つ凄みが伝わってこないのが残念でならない。
また、友情出演とは言いながら第2のゲームを一緒に戦う松山ケンイチが1エピソード分をまるまる出演しているのには驚いた。
最初は何で松山ケンイチが脇役で友情出演なのかと思っていたが、映画が終わってから『デスノート』のキラとエルの組み合わせだったと気がついた。(おそっ)
そう言えば第1のゲームで戦う山本太郎と藤原竜也は『バトルロワイアル』で共演しており、制作者側にかつての話題作を彷彿させようとする意図があるような気がしてならない。(考えすぎか。)
まあ人生ダメ男の身としては、まだまだカイジほど落ちぶれてはいないぞと思えたことが救いであったが、藤原竜也の前2作のような緊迫感やスケール感が得られなかったのがなんとも惜しい作品である。
2009/10/17 06:18
kira
>Good Luckさん
原作はそうなんですか。早く読んでみたいのですが、TSUTAYAの貸本はいつも貸し出し中でまだ読んでないんですよ。
やっぱり映画化されるだけあって原作は人気漫画なんですね。
kira (09/11/11 07:57)
Good Luckです。
ほんとにスケール感や緊迫感が乏しかったですよね。かなり昔に原作を読んで、原作大好きなんですが映画とはかなり違いますよ。
マンガの方はもっとゲームが複雑でいろいろな仕掛けがあるゲームを進めていくところに面白さがあります。人間ドラマは二の次です。
ビームを美味しそうに飲む藤原竜也が印象に残りました^^
Good Luck (09/11/08 21:08)