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エスター

Orphan
2009/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画/123分
出演:ベラ・ファーミガ ピーター・サースガード イザベル・ファーマン 
監督:ハウメ・コジェ・セラ
脚本:デイビッド・レスリー・ジョンソン
http://wwws.warnerbros.co.jp/orphan/

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 もともと問題が山積していたうえに、3人目の子を死産してしまったケイトとジョンのコールマン夫妻。ふたりには息子と娘が一人ずついるが・・・。
ケイトは才能あふれるピアニストでもあり、名門音楽学校で教え続けるというキャリアの選択もあったが、子育てのためにそれをあきらめていた。残念なことに、息子は音楽にまるで興味がなく、娘は重度の聴覚障害児で、母のピアノを聴くことはできない。
現在のコールマン家は、内面さまざまな問題を抱えていた。赤ん坊を失った悲しみをひきずるケイトは、元アルコール依存症患者で、その飲酒のせいで娘のマックスをあやうく溺れさせかけた過去をもつ。ジョンは、ともすれば、大切な娘の命にかかわるその事故について妻を責めそうになる自分と闘っている。

この悲劇を乗り越えるためには新たに家族を増やすことこそ最善の方法だと考え、エスターという名の9歳の少女を養子に迎える。エスターは前の養子先の家族を火災で失ったばかり。彼女自身はかろうじて逃げることができた。
エスターに会ったのはジョンが先だった。愛らしい声で歌いながら、きれいな絵を描いているエスターを見ているところへケイトが加わり、ふたりはたちまちエスターの頭のよさと独特な考え方に惹かれる。子どもにしては古風で内気なエスターは確かにユニークな少女だ。音楽家であるケイトと建築家のジョンは、この特別な少女なら、その悲劇的な過去にもかかわらず、あるいは、そうだからこそ、自分たちの家族にふさわしいと考える。
しかし、エスターが家族に加わったとたん、悲劇が立て続けに起こり、ケイトは何かがおかしいと確信するようになる。この少女の心の中は、その天使のような外見とは違うのかもしれない……。

2009年10月10日(土) 渋谷東急・新宿ミラノほか全国ロードショー