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The Terminator
1984/アメリカ/109分
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー リンダ・ハミルトン マイケル・ビーン 
監督:ジェームズ・キャメロン

偏差値:59.7 レビューを書く

全てはここから始まった [85点] [参考:2]

『T2』の10分の1の低予算と言っても14億円と言う日本の映画人から見れば羨ましほどの製作費で作られた作品である。

ストーリー自体はよくある話で、未来の驚異を取り除くために過去に戻ってその存在を消そうとする、SFの王道的、単純明解なものである。

そのストーリーの分かりやすさもヒットした要因の1つであると思うが、最大の要因はやはり冷酷無比・情け容赦のない殺人マシーンを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーの圧倒的な存在感にある。

人間離れした鍛え抜かれた肉体とあのごっつい顔の骨格が正に殺人マシーン・ターミネーターにふさわしく、悪役であるはずなのに観る者を惹き付けるのだ。

ジェームズ・キャメロン監督にとっては『殺人魚フライングキラー』に続く2作目で、おそらく当時はキワモノ的な作品であったと思われ、ここまでヒットするとは考えていなかったのではないだろうか。

そのためサラのルームメイトが彼氏といちゃつく場面やサラとカイルのベッドシーンなどのサービスショット?もあり、B級映画の匂いに溢れている。

またシュワルツェネッガーが自分の壊れた箇所を修理する時に映される腕や顔の造形はお世辞にもいい出来とは言えないし、カイルがサラに語る未来に出てくるハンターキラーや戦車につぶされる頭蓋骨などもどう見てもミニチュアである。

だがB級SF映画ファンにはその手作り感がいいのである。最新のCGによって塗り固められた映像より確かな存在感があるのだ。

そしてもう1つ、焼け落ちたシュワルツェネッガーの中から現れたターミネーター本体の金属骨格の恐ろしいまでの美しさを忘れてはいけない。

1度見たら忘れることのできない金属骨格だけになったターミネーターがサラを抹殺するというプログラムだけでどこまでも執拗に追いかけてくる怖さは観る者にも伝播するのだ。

だからその瞳の奥の赤い光が消えたとき、観客はサラと同じようにようやくターミネーターの恐怖から解放さえた安堵感を味わうことが出来るのである。

炎の中で立ち上がったターミネーターの動きは悪く言えばできの悪いモデルアニメーションのようで、そのぎこちなさがジェームズ・キャメロン監督は気にいらないそうだが、ファンにはそのいかにもB級映画らしい動きがたまらないのである。

その後、傑作と言われる『T2』、駄作と言われる『T3』、そして評価の分かれている『T4』と作られてきたが、本作ほどB級映画の匂いのするターミネーターシリーズにはお目にかかれない。

ターミネーターシリーズを語る上ではまず観ておかなければいけない1本である。

2009/06/23 23:36 (2009/11/07 06:07修正)

kira

参考になりましたか?

2の10分の1の製作費でこれほどのものが作れるなんてすごいですね。サラコナークロニクルズよりチープな感じだけど内容は最高でした。

シネマガ管理人 (09/06/26 00:26)

製作費=映画の面白さではないことを立証していますね。
アイデアと脚本がよければ製作費に関係なくいい映画は作れると言うことでしょうね。

それに『T2』の時はシュワルツェネッガーはすっかり人気俳優になっていたのでその出演料だけでも『T1』の製作費を超えていたのではないでしょうか。

ちなみに『T3』へのシュワルツェネッガー出演料は36億円だそうです(驚)

kira (09/06/26 02:22)

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