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私の中のあなた

My Sister's Keeper
2009/アメリカ/ギャガ・コミュニケーションズ/110分
出演:キャメロン・ディアス アビゲイル・ブレスリン アレック・ボールドウィン ジェイソン・パトリック ソフィア・ヴァジリーヴァ へザー・ウォールクィスト ジョーン・キューザック 
監督:ニック・カサヴェテス
http://watashino.gyao.jp

偏差値:60.9 レビューを書く 読者レビュー(5)

「病気の姉を救うために、私は“創られた”。
でも、今、私はその運命に逆らって、大好きな姉の命を奪おうとしている—。」
『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス監督が贈る希望と感動の物語に、
この秋、あなた史上最高の涙が落ちる—!

アナ、11歳。
白血病の姉・ケイトを救うため、臓器を提供するドナーとして生まれてきた。彼女は、生まれたときから姉のために体のあちこちを切り刻まれていた。ケイトに生きてほしい−その想いは、家族みんな同じだと信じて疑わなかった母・サラは、ある日、信じられない知らせを受ける。「もう姉のために手術を受けるのは嫌。自分の体は、自分で守りたい。」と、アナが突然両親を訴えたのだ。
病気と闘いながらも幸せだった家族に訪れた、突然の出来事。アナは、姉ケイトが大好きだった、なのになぜ・・・。
そのアナの決断の裏には、驚くべき真実が隠されていた−。

原作は、ジョディ・ピコーの大ベストセラー小説「わたしのなかのあなた」。全米の涙を絞り、かつてないほど泣けることを約束したこの物語が、待望の映画化を遂げた。この大ベストセラーに暖かく優しい命を吹き込んだのは、『きみに読む物語』(05)で世界中を涙に包んだニック・カサヴェテス監督。実生活で、心臓病を抱えた娘を育ててきたカサヴェテスにとって、この映画は「最もパーソナルな作品」だという。体験した人だからこそ知っている心情を、決してシリアスな描写になり過ぎないよう、笑顔に溢れる演出で、繊細に、優しいタッチで描いている。

母親サラ・フィッツジェラルドを演じるのは、ハリウッドのトップを走り続ける女優、キャメロン・ディアス。15年のキャリアをもつ彼女が母役に挑戦するのは初めてのことだ。ガン治療の副作用で髪がなくなった娘を励ますシーンでは、サラも自らバリカンを持ち、ディアスも坊主頭姿で登場する。そして「どんなことをしてでも娘は死なせない」と懸命に努力し続ける母親を演じる途中、皮肉にも、ディアスは私生活で最愛の父の突然死という悲劇を体験することになった。

母親を提訴する次女アナ役を名演するのは、『リトル・ミス・サンシャイン』(06)で、11歳にしてオスカーにノミネートされたアビゲイル・ブレスリン。長女ケイト役には、人気テレビドラマ「ミディアム 霊能者アリソン・デュボア」で知られる16歳のソフィア・ヴァジリーヴァが選ばれた。彼女はこの役のために、頭を丸刈りにし、眉もそり落とすなど、まさに体当たりで挑んでいる。サラの夫ブライアンには、『スピード2』(97)のジェイソン・パトリック。アナの弁護を買って出る弁護士キャンベル・アレグザンダーを、アレック・ボールドウィンが務める。

アナは、ドナー提供をやめることで姉が死んでしまってもいいのか?母親のサラはどこまで妹に無理を押し付ける権利があるのか?そもそも、ひとりの子供を助けるという目的のために別の子を生むことは、倫理的に許されるのか?あらゆる疑問を問いかけながら、映画は、死を目前にした家族を結ぶ,強い家族愛を描写していく。この映画で扱われている問題やシチュエーションは、皆が自分と結びつけて考えることができるもの。だから私たちは作品を観て、「私がこの場にいたらどうするだろう?」と考えずにはいられないのだ。そうして物語は、最も衝撃的で、最も優しい結末へとつながっていく—。

それぞれの想い、そのすべては大好きな家族のためだった−。絶対に泣かずにはいられない映画。でも、泣いた後には、何か温かいものが、確実に心の中に生まれる。そんな感動の名作が、この秋、ついに日本にやってくる!





Story

もう姉のドナーにはならない。
両親に訴訟を起こしたアナ、11歳。
しかし、その決断にはある理由があったム。

「小さな頃、ママが言ってた。私は青空のかけら。
ママとパパがたくさん、たくさん愛情を注いだからこの世界に降ってきたんだって。
でも、あとになって、それがウソだって分かった—」


サラとブライアンの夫婦は、長男ジェシーと、長女ケイトとの4人家族で暮らしていた。
しかし、そんな家族の生活は、ある日、一変してしまう。2歳の娘のケイトが白血病に侵されていることが分かったのだ。
両親に残された希望はただひとつ。ケイトの生命を救う、ドナーにぴったりの新たな子供を遺伝子操作でもうけること。
そうやって、次女アナは“創られて”生まれてきた。



「姉が健康だったら、私は産まれていなかった?」


抜群の成功率を誇る弁護士キャンベル・アレグザンダーの事務所に、ある日、意外な客が訪れた。
テレビのコマーシャルを見てアレグザンダーを知ったというその11歳の少女アナは、真剣な表情で、「両親を訴えたい」と言う。
白血病の姉ケイトの治療のために、アナは、腎臓をひとつ提供することを要求されているというのだ。
しかも、彼女にとって、これは初めてのことではない。これまでにアナは何度も姉のために手術台の上に乗ってきた。
自分の体は自分で守りたい、とアナはアレグザンダーに告白をする。


「私が死ぬのはかまわない。でも、私の病気のせいで家族まで壊れてしまうのは、嫌。」


アナの突然の提訴に、驚く両親。病気と闘いながらも幸せに暮らしてきたはずの家族。
ケイトに生きて欲しい—その想いは家族みんな同じだと信じて疑わなかったのに、
突然、なぜアナが自分たちを訴えたのかが全く理解できない。
アナは、姉が死んでしまってもいいというのだろうか?
アナの気持ちを理解しようとする父親に反して、母親のサラは激怒してアナを叱り飛ばす。
だが、アナの意思は固く変わらない。「自分の体のことは、自分で決めたいの」と。


「言っとくけど、あの子を死なせるつもりはないわ。絶対にね。」

ケイトの病気と闘うために、母親のサラは弁護士のキャリアも、結婚生活も、人生の全てを犠牲にして今日まで戦ってきた。
今、ケイトを死なせるわけにはいかない。ケイトには、生きてほしい。
アナの身勝手と思える行動を理解できないサラは、裁判所へと自ら出向き、アナと戦うこととなった。


「姉には生き延びてほしい。でも、私はこの訴訟を続けなければいけない。」


法廷での裁判が続くにつれ、アナの様子がどこかおかしいことに気が付くサラ。
一体、アナは何を隠しているのか?何故、アナは突然自分の役目を降りて、大好きな姉を見殺しにするような選択をしたのか?
やがて、真実が告げられたとき、アナの家族は衝撃の真実を耳にすることとなる—。

10/9(金)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー