2009/日本/東宝
出演:唐沢寿明 豊川悦司 常盤貴子 平愛梨 香川照之 石塚英彦 宮迫博之 藤木直人 古田新太 森山未來 小池栄子 黒木瞳
監督:堤幸彦
原作:浦沢直樹
http://www.20thboys.com/
偏差値:52.4 レビューを書く
良くも悪くも大団円 [75点] [参考:1]
ヒットしている割りには評価があまりよくないようなので、全く期待をしなかったのが幸いしたのか、思っていたよりは楽しめた作品である。
誤解のないようにつけ加えるなら『20世紀少年』3部作を1つの作品として観た場合に完結編として楽しめたと言う意味で、この最終章だけを1つの映画として観ると、ちょっとどうなのと思えるところが一番多い作品でもある。
1作目はそれなりに観せる作品であったが、2作目は思わぬ展開に驚き、3作目は広げ過ぎた風呂敷を無理に閉じようとして破れてしまった、との印象が拭えない。
原作は映画を観るまで読まないと決めたので原作と比べることは出来ないが、1作目と2作目では映画の匂いが全然違っており、3作目は2作目を引きずった感じなので、1作目は原作に忠実に映画化したが、何らかの理由で2、3作目は原作とはかなり違った展開となったのだろうか。
特に3作目は、ええっそれはないだろうとか、おいおいドリフのコントかよと突っ込みを入れたくなる話を大勢の有名俳優陣が大真面目でやっているため、開き直って逆に笑いを楽しむのがいいのかも知れない。
だからここで3作目の悪い点を挙げていってもつまらないと言うかキリがないので、敢えて気に入った点を挙げてみよう。
まずはカンナ役の平愛梨が可愛い。2作目でどこかで観たような気がしていたが『笑う大天使』で上野樹里と関めぐみにはさまれて一番目立ってなかった三つ編みメガネっ娘だと分かった時には驚いた。メガネを外して髪の毛をツンツンにするとあんなに可愛くなるのだ。
次に映画館の大音響。館内が震える大音響はやはり映画館ならではの醍醐味である。どう考えてもあの形ではすぐ転ぶだろう巨大ロボットが地響きをたてて歩くところを映画館で楽しもう。
そして個人的には他の映画ではあまり印象に残らない古田新太が演じる演歌歌手の春波夫のキャラがいい。彼が劇中で歌う『ハロハロ音頭』は1度聴くと耳から離れない名曲である。
他にも気に入ったところはたくさんあるが、長くなるので割愛し、最後は試写会ではカットされたらしいラスト10分間のストーリーが実にいい。
誰しも子供の頃にこうしておけば良かったと後悔することがあるが、あの10分間の話にはグッときてしまった。この話だけでポイントが10点アップ
良くも悪くも本作で大団円を迎えたシリーズであり、3部作の連続上映会があれば通しで観てみたい気もする作品である。
2009/09/16 20:11