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愛してる、愛してない...

A La Folie... Pas Du Tout
2002/フランス/96分
出演:オドレイ・トトゥ サミュエル・ル・ビアン イザベル・カレ クレマン・シボニー ソフィー・ギルマン 
監督:レティシア・コロンバニ

(データベース登録者:ハローメロウ

偏差値:60.7 レビューを書く

人間の方が怖いんだよ [90点]

※ネタバレを含むレビューです。
オドレイ・トトゥが出演してなかったら、100%はおろか50000%は観なかったであろう映画。しかしいざ観てみたらその完成度の高い脚本に驚かされました。

DVDのパッケージもロクに確認せず、本当に「オドレイが出てるから」の一点のみでレンタルというクズっぷりを遺憾なく発揮。最初はフランス映画独特のちょっとオサレなラブストーリーかと思ったし、最初の10分くらいはそれで間違いないと思ったのに、話が進めば進むほど、少しずつ何かがおかしくなっていく。

ストーリーはオドレイ演じるアンジェリク視点のによる物語とその恋人であるロイックの視点の物語のそれぞれが描かれた後に完結編みたいな流れです。

まずアンジェリク視点としては、この後の準備期間みたいなもので、妻とも離婚寸前のロイックと上手く行っているように見えるが、どこかで感じる違和感。大体この辺で僕が気付くくらいだから、他の人も気付き始める。何かがおかしいと。

そしてロイックの視点に。ここで違和感の正体に気付く。脚本が素晴らしいと言ったのは、ここに繋がるわけで、アンジェリク視点で描かれたすべての事象が見事にリンクして「ここがこうなっていたのか」と驚かされる事請け合い。

そしてすべてに決着がつく完結編。アンジェリクの狂気が本格化して、今まで描かれてきた前提も含め、いよいよオドレイの美しい顔も逆に怖くなってきます。でもこんな美女になら・・・いや、もうそういう話はいいよね。

すべて丸く収まったように見えるラストも最後の最後で大どんでん返し。凄く後味の悪い、気持ち悪い終わり方。

しかし、オドレイの魅力抜きにしても、脚本の力だけでどれだけ面白くなるのかを実感できる非常に良い映画です。役者の力(それも演技力とかじゃない)に頼りっきりの昨今の日本ドラマや映画は是非これを参考にして欲しいものです。何を偉そうに。

2009/07/21 16:21

ハローメロウ

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