ココ・シャネル
Coco Chanel
2008/アメリカ・イタリア・フランス/ピックス/135分
出演:シャーリー・マクレーン バーボラ・ボブローヴァ マルコム・マクダウェル
監督:クリスチャン・デュゲイ
http://coco-chanel-movie.jp/
「私は流行をつくっているのではない。スタイルをつくっているの」
世界で最も有名なブランドのひとつである「シャネル」。
-そのスタートは、ひとりの女性の孤独と情熱からだった。その女性の名は、「ガブリエル・“ココ”・シャネル」。修道院で孤児として育ちながらも、酒場の歌手、帽子デザイナー、そしてファッション界を牽引するデザイナーとしてキャリアアップしていったココ。彼女の“スタイル”はいまなお、すべての女性の憧れである。それは、彼女が発表した数々のファッションアイテムのみならず、現代にも通じる、潔いココの生き方や言葉に共感することにほかならない。多くのことが語られながらも、現実と虚構の間で揺れ動く、ココ・シャネル像。彼女の本当の姿とはどのようなものであったのか?
『ココ・シャネル』は、彼女が仕事でも私生活でも壁にぶつかっていた1954年からはじまる。15年の沈黙を経て、復帰コレクションを開催したが評論家や顧客たちに「過去から脱却できないシャネル」と酷評されてしまう。そんな時、ココは孤児だった自分が現在の地位を手に入れるまでの日々を思い出す。それは自分のキャリアだけではなく、彼女を奮い立たせ、支え、勇気づけてくれた数々の愛の思い出でもあった。最初の恋人、エチエンヌとのロワイヤリュでの生活。シャネルが最も愛した男、ボーイ・カペルとの試練ともいえる深く悲しい恋。それと引き換えに手に入れたデザイナーとしての地位…。数々のでき事を回想しながらココは、再起を誓うのだった。
1954年のココを演じるのは、オスカー女優、シャーリー・マクレーン。
彼女は語る、「オードリー・ヘプバーンが最後に私に語ってくれたことが『ココ・シャネルを演じることを検討してみなさい』ということだったわ。これまでずっと彼女のファンだったから、シャネルを演じられてとても楽しかった。ジェット族の一人として世界中を旅していた30代の頃はずっとシャネルの服を着ていたわ。生地の素材が好きだったの。でもシャネルを着るときは、靴も帽子もあらゆるものをシャネルにしなければならないのよ。ココのように野心的であるためには、ゆったりした気分でいる必要があると思うの。意欲的でいられるためには身体に自由が必要なの。彼女が素材を使って成し遂げたのはまさにそういうことだったのよ。」
“シャネル”の大ファンで、“ココ・シャネル”自身の心情をも理解したシャーリー・マクレーン。まるでココが乗り移ったような強さと品格をみなぎらせファッション界に復活をとげたココをスクリーンに甦らせた。「彼女以外に演じられる者はいない」と思えるほど、煙草の吸い方や高飛車な態度まで、まさしく“ココ・シャネル”そのものだ。
そして、若き日のココは、イタリア映画界で活躍するバルボラ・ボブローヴァが熱演。チャーミングで自由奔放な若き日のココを見事に表現している。また、ココの腹心であり、ビジネスパートナーのマルク・ボウシエ役を『時計じかけのオレンジ』(71年)、『バレエ・カンパニー』(03年)の名優マルコム・マクダウェルが演じる。
シャーリー・マクレーン、バルボラ・ボブローヴァ2人のためにつくられた衣装は70着。シャネルを有名にした数々のアイテム“ジャージー・ドレス、カメリア、ツイード・スーツ、シャネルNO.5…”がその歴史的アイテムがつくられた背景とともに次々と登場。それぞれの時代のシャネルファッションを再現している。その華やかなスタイルは、シャネルファンならずとも存分に楽しませてくれる。
獅子座という運命を背負い、自由を求め、ファッションへの野心と燃えるような愛をつらぬき生きた、ココ・シャネル。彼女の行動に秘められた本当の理由とは? 何事にも挑戦し続けた彼女の哲学がつまった、伝説の物語がここに誕生した。
夏、Bunkamuraル・シネマ、TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館他にて全国ロードショー