Angels & Demons
2009/アメリカ/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
出演:トム・ハンクス ユアン・マクレガー アイェレット・ゾラー
監督:ロン・ハワード
原作:ダン・ブラウン
脚本:アキヴァ・ゴールズマン、デヴィッド・コープ
http://www.angel-demon.jp
ゲームの攻略本のような映画 [80点] [参考:2]
謎が謎を呼ぶ猟奇的な連続殺人事件をハーバード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)が阻止しようとしながら次第に核心に迫って行くストーリーはサスペンス映画としては申し分ない。
ストーリーは前作より分かりやすくテンポよく進み、アクションシーンもパワーアップしているため2時間18分が短く感じられた。
しかし映画を観ていると言うより観せられているような気がして仕方がなかった。
その理由を考えてみると、あまりにもテンポよく話が進みすぎるため観る側に推理をする時間が与えられていないような気がするのである。
確かにラングドン教授がその知識と推理力を駆使して次々と謎を解いて行くのはいい。
だが観ているこちらも映画の世界に入って推理をしたいのだが、ラングドン教授が早々と謎を解いては次の現場に向かうためこちらが推理に加わる余裕が全くないのである。
だからまるでTVゲームをする前に攻略本を読んでしまい、攻略方法が分かっていながらゲームをしているような気持ちになってしまった。
これが「ナショナル・トレジャー」のようなおバカな宝探しアドベンチャー映画ならこれでもいいのかもしれないが、予告編で宗教VS科学の数百年にわたる対立と復讐と銘打っているのであるのなら、もう少しテンポを遅くして重厚さを感じさせる作り方をしたほうが良かったのではないか。
敬虔なクリスチャンであれば、次のローマ教皇を決めるコンクラーベの内側をこの作品で観ることができただけでも感激するかも知れないが、私は何だか面倒くさそうな儀式だなあなどと罰当たりなことを考えてしまった。
また私はキリスト教徒ではないため、前作もそうであったが、キリスト最大の秘密とか、ヴァチカンと秘密結社イルミナティの数百年にわたる戦いが映画の主題と言われても、ああそうなんだ、ふ~ん程度にしか受け取れないのである。
ラングドン教授とともにヴァチカンを走り回り、数々の名所旧跡や儀式を観ることを楽しむことが出来るかどうかで評価が分かれる作品ではないだろうか。
2009/05/26 23:21
kira
2009年5月7日(木)、帝国ホテルにて、『天使と悪魔』の来日記者会見が行われ、主演のトム・ハンクス、ヒロインのアイェレット・ゾラー、監督のロン・ハワード、製作のブライアン・グレイザーが登壇した。