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ロード・トゥ・ルーベ

Road to Roubaix
2008/アメリカ/アップリンク/71分

監督:デヴィッド・ディール、デイヴ・クーパー
http://www.uplink.co.jp/roadtoroubaix/

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“パリ~ルーベ”、毎年4月の第2日曜日に行われ100年以上の歴史を持つその1dayレースは、“北の地獄”あるいは“地獄の日曜日”と称され最も過酷なクラシックレースとしてその名を轟かせている。

“地獄”と称される所以は、パリ〜ルーベ間260キロ中に28カ所総延長52.7キロに及ぶ未舗装の石畳(パヴェ)を走破しなければならないことにある。パヴェを走り抜けるのは、選手の肉体と自転車のメカを極限まで酷使することに他ならない。ロードバイクの細いタイヤが石と石の間の溝に挟まり、他のクラシックレースの常勝者でさえ転倒するのである。2007年のこのレースでは出走192名のうち、完走者は半分の96名だった。

選手自身の技術や体力を超えた“幸運”を自らに引き込む力を持った者だけが完走する事を許されるのである。 そして、どんなアクシデントが起こるか全く先の読めないレース展開が、観る者を魅了し、選手は闘争心を掻き立てられ挑戦するのである。

本作は、2007年のライブ映像をモノクロで描き、“パリ~ルーベ”に参戦する名だたる選手、ジョージ・ヒンカピー、リーヴァイ・ライプハイマーをはじめ、ディレクター、メカニック、カメラマン、ランス・アームストロングやイヴァン・バッソらツール・ド・フランス常連選手等総勢27名のインタビューを収めている。

そしてこのドキュメンタリーのハイライトは、ゴールのヴェロドローム(トラック競技場)を走り終え、レースを完走した者だけが入る事が許された伝統のシャワー小屋の模様を捉えたシーンである。カメラは、260キロを走破し泥にまみれた選手たちが裸になり、旧式のシャワーを浴びる選手を映す。ある者は、完走した喜びを反芻し、ある者は修行者のように瞑想しレースを振り返るのである。選手がシャワーを浴びる廻りには、歴代の優勝した選手のプレートが各所に刻まれているのである。闘いを終え、完走した選手たちだけに与えられる祝福が“パリ~ルーベ”伝統のシャワーなのである。

今年の“パリ~ルーベ”には、日本から2007年に続き二度目の挑戦となる別府史之選手が出場する。さて彼はこの祝福のシャワーを浴びる事はできるのだろうか。

4月4日〜19日 渋谷アップリンク・ファクトリーにて公開


ロード・トゥ・ルーベ

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