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SRサイタマノラッパー

2008/日本/ロサ映画社=ノライヌフィルム/80分
出演:駒木根隆介 みひろ 水澤伸吾 奥野瑛太 杉山彦々 益成竜也 
監督:入江悠
脚本:入江悠
撮影:三村和弘
音楽:岩崎太整
http://sr-movie.com/

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青春ヒップホップ映画の傑作誕生!!

『OBSESSION』(02)、『SEVEN DRIVES』(03)がゆうばりファンタスティック映画祭で2年連続入選、2006年には初の長編映画『JAPONICA VIRUS』が全国公開されて注目を集めた入江悠監督の新作長編映画。

 本作は地方都市の青年たちの姿をヒップホップ音楽にのせてシニカルに、そして温かく描いたまったく新しい青春映画である。2008年にロンドンで上映、絶賛された短編をもとに大幅にリライトし北関東の片隅を舞台に、深谷シネマ(深谷フィルムコミッション)の全面協力で長編化された。
 全編ほぼ1シーン1カットの撮影、豪華なアーティストによるオリジナルヒップホップトラック、随所にインサートされる斬新なラップなど、映像・音においても監督入江悠の新境地を開拓している。

 主演には舞台で活躍する若手俳優・駒木根隆介を抜擢、ヒロインに人気絶好調アイドルのみひろ、共演に杉山彦々(『死神の精度SWEETRAIN』『サッドヴァケイション』)、水澤伸吾、奥野瑛太、益成竜也など今後が期待される若手俳優が顔を揃え、更には謎のラッパーT.K.Dや釣り師ラッパーTECといった大胆なアーティスト陣が脇を固めている。

 音楽は、入江悠作品を多く手がける岩崎太整が担当。
近年稀にみるオリジナリティに溢れたヒップホップ音楽が切なく温かい映画の世界を彩り、世界的なスケール感・美しい透明感を実現している。ヒップホップ音楽を支えるリリック(歌詞)にはT.K.DやRTRといったヒップホップアーティストが参加。今までのヒップホップの常識を覆す強烈な批評性を込めた歌詞は、爆笑とともに強烈なインパクトを聴くものに残す。


<STORY>
レコード屋もライブハウスもないサイタマ県北部のフクヤ市。
ニートのIKKU(駒木根隆介)は狭い街の中を毎日ぶらぶらしながら、とくにやることもなく
なんとなくいつの日か世界的なラッパーになるのを夢みている。
友人のTOM(水澤伸吾)やMIGHTY(奥野瑛太)たちと秘密基地でオリジナルトラックを作って、
まずはフクヤ市でライブをやろうと考えている。
しかし現実のところTOMはおっぱいパブの店員だし、MIGHTYは実家のブロッコリー作りで忙しい。

そんなある日、高校の同級生の千夏(みひろ)が東京から帰ってきて……。
偶然、IKKUはスーパーで再会してしまう。
千夏は高校を中退して東京でAV女優として活躍し、また地元に帰ってきたのだった。
些細なすれ違いから、千夏のことを巡って次第にラッパーたちの夢がバラバラになっていく。
夢も希望も無くなったIKKUはヒップホップの服を脱ぎ捨て、焼肉店でバイトを始める。
そこで、かつてのヒップホップ仲間にばったり再会したIKKUは……。

サイタマ県の片田舎で不器用にラッパーを目指す青年たちの、どこか哀しく、やがて可笑しな日々。
まだ誰も観たことのない映画史上初の、まったく新しいヒップホップ青春映画の傑作。

2009年3月14日(土) 〜 3月27日(金)
池袋シネマ・ロサにてレイトショー!