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L'Histoire D'Adele Hl
1975/フランス
出演:イザベル・アジャーニ ブルース・ロビンソン ジョゼフ・ブラッチリー シルヴィア・マリオット 
監督:フランソワ・トリュフォー

(データベース登録者:ちりつも

偏差値:58.3 レビューを書く

アデル [82点]

このレビューはネタバレを含みます

一途な恋に狂った、文豪ヴィクトル・ユゴーの娘が、いつしか惨めな姿に変わっていく痛々しい恋物語。

トリュフォーの映像がいい。
演劇的で、銀行、下宿、紙屋、初めと終わり。

エゴだけの愛は痛い、そして弱い。

男から見たらこれほどしつこい女は嫌だろう。
(いや、女だってこんなにしつこくされるのは嫌。)
それもプレイボーイの男を追いかける。
男はアデルに気なんて、ない。
それでもアデルは男の行くところへと、いつまでも追いかけていく。
ああ、なんて悲惨なのか。

でも、アデルがいとおしくも見える。
自ら傷ついても、ただ、ひたむきに一途な愛を貫きとおして結果として破滅への道を進むが。
今でいうストーカー的行為も全て、全て、愛してしまったが故の行動。
人は気が狂うほど、人を愛することができる。
そこまでいってしまった愛って一体どういう愛なのだろう?

当時、アデル役のイザベル・アジャーニは19歳。
すでに、もうこの若さで、一途で奈落に落ちていく女性を演じたら誰も、かなわないような“凄み”を見せる。
そして「さあ、どうだ!」といわんばかりのまばゆい美しさ!
この1本でアジャーニは世界に知られる女優になった。

2009/01/31 01:58

ちりつも

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