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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

Revolutionary Road
2008/アメリカ・イギリス/パラマウント/119分
出演:レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット マイケル・シャノン キャスリン・ハーン デヴィッド・ハーバー キャシー・ベイツ ライアン・シンプキンス タイ・シンプキンス ディラン・ベイカー キース・レディン 
監督:サム・メンデス
http://www.r-road.jp/

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映画史上永遠のカップル
レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット
待望の再競演。
運命のふたりがたどり着く愛の終着点。

 世界の映画興行の記録をぬりかえ、アカデミー作品賞ィにも輝いた空前の大ヒット作『タイタニック』。
この名作からはレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットという映画史上永遠のカップルが誕生したが、その後のふたりは本物志向の役者として着実にキャリアを重ねた。ディカプリオは『アビエイター』『ブラッド・ダイヤモンド』などでアカデミー賞ィの候補となり、ウィンスレットは『エターナル・サンシャイン』『リトル・チルドレン』などで同賞の候補となり、今では華も実もある大人のスターとして活躍中。そんなゴールデン・コンビの待望の再競演が11年ぶりにここに実現。
全米ではふたりの熱演が大評判となり、今年のアカデミー賞ィの最有力候補者と目されている。舞台は高度成長期の1950年代で、主人公はアメリカ郊外に住むひと組のカップル。
“レボリューショナリー・ロード”と名づけられた新興住宅街のこぎれいな家に住み、ふたりのかわいい子供にも恵まれ、はためには理想の夫婦に見える。しかし、それぞれの心の奥には人にはいえない葛藤があった。元陸軍兵で、いまは会社員として単調な毎日を送るフランクは、虚しい日々からの脱出を夢見ている。一方、女優志願の夢を捨て、子育てと家事に明け暮れるエイプリルはもう一度人生への情熱を取り戻したいと考える。そんなふたりはパリへの移住を決意するが、その実現には数々の問題が立ちはだかる。そして、よみがえった希望に胸をはずませながらも、やがて、その人生は予期できなかった衝撃の結末へと突き進んでいく……。家庭を持つ大人の男でありながらも、少年の繊細さを秘めたフランク役で新境地を切り開いたディカプリオ。失われた夢を追い、遂には大胆な決断へと向かうエイプリル役でますます演技力に磨きがかかるウィンスレット。『タイタニック』では、若い恋人たちの一途な恋が世界の映画ファンを魅了したふたりが、この新作では真実の愛を知った者だけが体験する複雑な苦悩も体現。大人の役者として愛の極限に突き進み、その深い表現力と迫真の演技で見る者を圧倒する。脇役は不動産屋のヘレンに『ミザリー』のオスカー女優、キャシー・ベイツ。彼女も主役のふたりとは『タイタニック』に次ぐ共演となる。心を病むヘレンの息子ジョンを演じて批評家に絶賛されているのが、『その土曜日、7時58分』の実力派男優マイケル・シャノン。エイプリルにひそかに心を寄せる隣人シェップに『007/慰めの報酬』のデヴィッド・ハーバー。彼の妻ミリーに『ホリデイ』のキャスリン・ハーン。フランクを抜擢する会社の責任者のバートに『ミュージック・オブ・ハート』のジェイ・O・サンダース。フランクの浮気相手モーリーンに『告発のとき』のゾエ・カザンが扮している。
2度目のアカデミー賞の呼び声も高い『アメリカン・ビューティー』の名匠サム・メンデス監督。大胆な大人の愛の表現と濃密な人間ドラマをオスカーの常連スタッフたちが支える。

 『アメリカン・ビューティー』で見事アカデミーィ作品賞と監督賞を手にした実力派監督サム・メンデス。人間を見つめる鋭い眼差しには定評があるが、今回は“レボリューショナリー・ロード”に立つ新興住宅街の生活を見つめる。
結婚7年目のフランクとエイプリルは、すべてが美しく整った家に住み、理想の生活を送っていたはずなのに、やがては信じていたものが崩れていく……。ふたりの間に本物の信頼はあるのだろうか? いまどれほど深く愛し合っているのだろう? 夢を渇望しながらも、現実の厳しい壁にぶつかり、それでも真実の愛と人生をつかもうともがく人々。
 平均的な家庭像が求められた50年代をあえて舞台に選ぶことで、夢と現実生活とのギャップを浮きぼりにし、出世作『アメリカン・ビューティー』をしのぐ濃密な愛のドラマを作り上げるメンデス。
そのスリリングでスケールのある演出は全米メディアから称賛を受け、<ヴァラエティ>誌も「傑作小説の見事な映画化」と手放しの賛辞を送る。今年の賞レースの最前線を走る作品として、いま、大きな注目を浴びる。私生活上ではメンデス夫人のウィンスレットと初のコラボレーションとなる事も話題。ウィンスレットとディカプリオは友人同士で、中盤のキッチンの場面では衝動的な官能シーンも演じてみせる。知性と実力に裏打ちされた3人がタッグを組むことで、大胆な大人の愛の表現が実現した。
原作は故リチャード・イエーツが61年に発表した処女小説「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」。当時、全米図書賞の候補にあがったものの、その後は忘れられた作家となり、21世紀に入ってから再評価を受ける。近年では<タイム>誌が選ぶ「英語小説ベスト100」の中に「風と共に去りぬ」「時計じかけのオレンジ」などと並んで選出された作品だ。作家のソール・ベロー、カート・ヴォネガット、映画監督のウディ・アレン、クリント・イーストウッドにも評価される不世出の天才イエーツ。そんな彼の最高傑作といわれる小説をオスカーの常連スタッフたちが見事に映像化してみせたのだ。 製作は『ノーカントリー』で2008年のアカデミー賞ィを得たヒットメイカーのスコット・ルーディン。脚色は『二重誘拐』のジャスティン・ヘイス。撮影監督は『ノーカントリー』などでオスカー候補となった名手ロジャー・ディーキンス。プロダクション・デザインは『ディパーテッド』のクリスティ・ジア。編集は『アメリカン・ビューティー』でオスカー候補となったタリク・アンウォー。衣装デザインは『バグジー』でオスカー受賞のアルバート・ウォルスキー。そして、音楽は『アメリカン・ビューティー』でオスカー候補のトーマス・ニューマンという超一流のスタッフたちが参加し、クオリティの高いドラマを作り上げた。

<STORY>
 1950年代、コネチカット州。フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)のウィーラー夫妻は、ふたりのかわいい子供に恵まれた理想のカップル。 “レボリューショナリー・ロード”にある閑静な住宅街に住んでいるが、そこは郊外に夢を求める人々の新天地だった。 フランクは元陸軍兵で、いまはニューヨークの事務機会社ノックスの社員。エイプリルはかつて女優志願だった美しい女性。あるパーティの会場で知り合ったふたりは、人生が素晴らしいものになると信じて結婚した。しかし、そんな新婚時代の夢も次第に色あせていった。エイプリルは地元のアマチュア劇団の舞台に立つが、芝居は最悪の出来で、その怒りを帰りの車の中で夫にぶつける。ふたりは激しい口論になり、心の中の不満を言葉にした。
 ある時、フランクは会社でタイピストのモーリーン(ゾエ・カザン)を目にとめ、その初々しい若さに心を奪われる。彼女もフランクに好意を抱き、ふたりは食事に出かける。
「父も同じ会社でセールスマンをしていた。そんな風になりたくないと思っていたが、結局はこんな人生を送っている」。その日、彼は30才の誕生日を迎えた。アルコールの入ったふたりは、店を出て、モーリーンの部屋で甘美なひとときを過ごす……。 
夜になってフランクが帰宅すると、出迎えたエイプリルはいつになくドレスアップをして、子供たちと笑顔で迎えた。家ではフランクの誕生日を祝う準備が整っていたのだ。やがて妻は彼に重大な決意を告げる。「みんなでパリで暮らしましょう」軍人時代、フランクはパリに駐在したことがあり、街に魅了された。その思いをかつて妻に語ったことがあり、彼女も、また、パリを夢の街と考えるようになっていたのだ。
 パリでは自分が働くので、フランクは好きなように暮らせばいい、とエイプリルは言い出した。かつては自分を特別な人間と信じていたが、今では他のみんなと同じになっていく。そのことにエイプリルは耐えられなくなっていた。妻の強い言葉に、最初は動揺するフランクだったが、結局は一家でのヨーロッパ行きを決意する。出発は秋と決まった。
 翌日、会社に出勤したフランクは、いつになく上機嫌だった。移住する決意を会社で話すと、同僚たちは冷やかすような視線を送った。
パリ行きの波紋は隣人たちにも広がった。フランクとエイプリルの隣に住むシェップ(デヴィッド・ハーバー)とミリー(キャスリン・ハーン)のキャンベル夫妻も、その決意に驚く。フランクは自由に暮らし、エイプリルが仕事を見つけて彼を支えるという雲をつかむような計画に、隣人夫婦は戸惑いを隠せない。しかし、フランクとエイプリルの気分は高揚、帰宅後はキッチンで激しく抱き合う、憧れのパリで失われたふたりの夢が取り戻せると信じながら…。
 ある日、フランクとエイプリルに家を紹介した不動産屋のヘレン(キャシー・ベイツ)と夫のハワードが、息子のジョン(マイケル・シャノン)を連れて、夫妻の家を訪れた。
彼は精神を病み、病院に入っていたという。息子の将来を案じるヘレンは、彼の話し相手にフランクたちを選んだのだ。病院では電気ショックを受けたこともあるというジョンは、鋭い言葉をフランクとエイプリルに投げかける。そして、「人生のどうしようもない空しさを乗り越えたい」というフランクをどこか冷めた目で見ていた。
 ふたりのパリの行きの準備は着々と進んでいたが、そんな時、ノックス社の取引先のバート(ジェイ・O・サンダース)からフランクの引き抜きの話が来る。
フランクの仕事に対する意欲に心を動かされ、コンピューターに関する新しいポストを彼に任せたいという。フランクはこの申し出に心を動かされながらも、移住の決意をバートに伝える。いよいよ、家も売りに出され、パリ行きの日が近づいていた。そんな時、妻が衝撃の告白をする。彼女は3人目の子供を身ごもっていたのだ。それを知って移住の決意がゆれ始めるフランク。出発を強行したいと考えるエイプリル。
ふたりが最終的に選んだ道とは……!?

1月24日(土)丸の内ピカデリー1他全国公開