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十二人の怒れる男

12 Angry Men
1957/アメリカ/95分
出演:ヘンリー・フォンダ リー・J・コッブ エド・ベグリー E・G・マーシャル 
監督:シドニー・ルメット

偏差値:62.9 レビューを書く

骨太の男の映画 [95点] [参考:1]

今でも年に1回はDVDで必ず観てしまうシドニー・ルメット監督の最高傑作であると共に、陪審員制度を初めて知った作品である。

元々はTVドラマの映画化だそうで、閉鎖的な会議室内での言葉の応酬が主体の作品であるが、それがかえって観る者の臨場感と緊張感を高めている。

国民の義務として強制的に集められた名前も知らず、番号で呼ばれる十二人の男達が、1人の少年が犯した殺人事件が有罪か無罪かを決めるだけの話であるが、ある種の戦いとも言える彼らの台詞のやり取りは実に見ごたえがある。

また、彼らが会議室内だけで事件を検証し、推理し、時には同意し、あるいは反目しながらも一つの結論を導き出すまでの過程は何度観てもワクワクさせられる。

結論が出た後、彼らが閉鎖的な会議室から裁判所の外に出て、初めて名前を告げて別れるシーンは何ともいえない開放感と爽快感を与えてくれる。

我が国でも来年から裁判員制度が実施され、誰もが彼らの立場になり得る可能性があることを考えると、未見の方にはぜひ観ておいてほしい作品である。

オマケ
我が国の裁判員制度は6名の一般人と3名の裁判官の協議で有罪・無罪の判断と刑罰の選択をするもので、この作品にある陪審員制度とはやや異なっています。
詳しくはお近くの裁判所等にお尋ね下さい。ちなみに私は裁判所の人間ではありません(笑)

2008/10/27 23:09 (2009/11/07 06:28修正)

kira

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映画の力を再確認させてくれる作品 [95点] [参考:1]

一部屋に12人の男がいるだけで、よくもこれだけ緊迫感あふれるドラマが作り出せるもんだ。

舞台向きのセッティングとシナリオでありながら、カメラワークを駆使して映画の底力を再確認させてくれる。

”有罪派”最後の良識人だったE・G・マーシャル扮する陪審員”4番”が、女性目撃者の眼鏡にまつわる疑問から主張を撤回する場面のクローズアップが印象的だった。

2008/10/26 15:40

frost

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[【十二人の怒れる男】] from:Watch IT! 2008-07-05 15:30:47
部屋の中で十二人の男たちが 議論するだけの映画。 これ知ってる限りで一番金使っ・・・