ちょっと違う切り口の映画ニュースをお届けするウェブマガジン


ヘルライド

Hell Ride
2008/アメリカ/ムービーアイ/84分
出演:ラリー・ビショップ マイケル・マドセン ヴィニー・ジョーンズ デヴィッド・キャラダイン デニス・ホッパー 
監督:ラリー・ビショップ
http://www.hellride.jp/

偏差値:--.- レビューを書く 読者レビュー(0) 予告を見る

■タランティーノ総指揮!全米が黙殺した、バイカー・バイオレンス・アクション超・問題作!
エンジン全開、灼熱の荒野に轟くハーレーの爆音!復讐に燃える男たちの壮烈な死闘が、今幕を開ける—。
1960年代末から70年代初頭、低予算B級アクション映画の中で〈バイカー・フィルム〉は、アメリカで最も人気を集めたジャンルの1つだった。そんな中、デニス・ホッパー監督『イージー・ライダー』(69)が公開された。バイカーたちの米大陸横断の旅、夢と挫折を描いたこの映画は、当時湧き起こったアメリカン・ニューシネマ・ブームの波に乗り、世界的な大ヒット作となった。
しかし『イージー・ライダー』の栄光の陰には、今や憶えている者さえほとんどいない、無数のB級〜Z級作品が存在した。革ジャンをはおり、ハーレーにまたがって暴走を繰り返すアウトローたちの物語は、セックス、ドラッグ、ロックンロールといった反体制的なアイテムによって、当時の若者たちに強烈にアピールしたのだった。
そんな映画を、当時場末の名画座で見まくっていたのが、“パルプの帝王”クエンティン・タランティーノであった。そして、それらに俳優として出演し、ハリウッドのアウトサイダーとして、今なお己の映画道を歩み続けている男が、伝説的カルト・アクター/ディレクター、本作『ヘルライド』で監督・脚本・製作・主演の4役を務めたラリー・ビショップである。
『ヘルライド』は、鬼才タランティーノが、自らリスペクトする伝説の男を監督・主演に据え、かつてのジャンルの復活と再生をかけた、バイカー・バイオレンス・アクションの超問題作だ。
キャストには、タランティーノの呼びかけに応じ、ハリウッド最強の野獣派が結集した。上記ラリー・ビショップ以下、タランティーノ一家の若頭、マイケル・マドセン。TVシリーズ「24 Twenty-Four」のエリック・バルフォー。『ミーン・マシーン』のヴィニー・ジョーンズ。そして『キル・ビル』のデイヴィッド・キャラディン、『イージー・ライダー』のデニス・ホッパーという両ベテランも乱入!
『ヘルライド』は、そのあまりに反時代的な内容ゆえか、全米ではわずか2週間で打ち切りとなった。批評家からも黙殺同然の扱いを受けたこの映画はしかし、タランティーノ自身が放った『デス・プルーフinグラインドハウス』の試みに連なる、“トラッシュ・レボリューション”とでもいうべき野心作である。ダイヤモンドかトラッシュか—。この映画の価値は、興行成績だけでは計れない、そこに脈打つグラインドハウス魂にこそある![R-15指定]

1月17日(土)より、シアターN渋谷、銀座シネパトス、
新宿武蔵野館ほか全国ロードショー