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アンダーカヴァー

We Own The Night
2007/アメリカ/ムービーアイ/117分
出演:ホアキン・フェニックス マーク・ウォールバーグ エヴァ・メンデス ロバート・デュヴァル 
監督:ジェームズ・グレイ
http://www.undercover-movie.jp/

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1988年ニューヨーク——兄弟の運命は、一発の銃弾で動いた。

◆INTRODUCTION◆
今やアカデミー賞ノミネート俳優としてだけでなく、プロデューサーとしても注目されるホアキン・フェニックスとマーク・ウォールバーグ。次世代ハリウッドを担う2つの才能が、犯罪サスペンスの傑作『裏切り者』のジェームズ・グレイ監督と再びチームを組んで、最高にエキサイティングなアクション映画を生み出した!

1988年、ニューヨーク——
警察官の家系に生まれながらも、家業に背を向け、ロシアンマフィアと通じる裏社会を生きてきた弟。一方、父の後を継ぎエリートコースを歩んできた警官の兄。別々の道を進み、対立していた兄弟の運命が、父の死をきっかけに動き出す…。
ドラッグが流行し、犯罪率が急上昇した80年代のニューヨークを舞台に、NY市警史上最も危険といわれた息詰まる潜入捜査を、スリリングかつドラマティックに描き出す『アンダーカヴァー』。激しい雨の中の壮絶なカーチェイス、敵のアジトでのスリル溢れる銃撃シーンなど、緊迫感に満ちたアクションシーンの連続、スタイリッシュな映像と、重厚なドラマを文句なしに楽しめる本格派リベンジ・アクション映画だ。

心に闇を抱えたエキセントリックな弟ボビーを演じるのは、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』のジョニー・キャッシュ役でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたホアキン・フェニックス。育ての親ともいえるロシア人への義理と、家族への愛情との狭間で葛藤し、今にも爆発しそうな内面の揺れを、奥深い演技で見事に表現している。一方、エリート街道を歩く実直な兄、ジョセフ役には『ディパーテッド』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされたマーク・ウォールバーグ。自由に生きる弟を羨みながら、生真面目に生きてきた兄の苦悩をリアルに演じきっている。それぞれの持ち味を活かした息詰まる競演、さらに、兄弟を見守る父親でありながら伝説の警視監バートを、6度のアカデミー賞ノミネートを誇る名優ロバート・デュヴァルが演じ、圧倒的な存在感で重厚なドラマを盛り上げる。そして、ボビーのガールフレンド役に、『最後の恋のはじめ方』『ゴースト・ライダー』のエヴァ・メンデス。どんな犠牲を払ってもボビーを愛し続ける献身的な女性を、持ち前のセクシーな色気を存分に漂わせながら演じ、男たちのドラマに花を添えている。
監督は、デビュー作『リトル・オデッサ』がヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞し、本作と同じく80年代のニューヨークを舞台にした犯罪サスペンス『裏切り者』でも高い評価を受けたジェームズ・グレイ。ホアキン・フェニックスとマーク・ウォールバーグを再び主演に迎えた三作目『アンダーカヴァー』は、グレイ自ら綿密な取材のもと脚本を手がけ、そのリアルなアクション描写と、エモーショナルなドラマで、非凡なセンスを見せ付けている。
彼の才能に惚れ込んだホアキンとマークは、本作にプロデューサーとしても名を連ねているほどで、グレイが今後のハリウッドを牽引する監督のひとりであることは間違いないだろう。

◆ STORY◆

エリート警官として日の当たる道を行く兄、
アウトローとして裏社会に生きる弟。
一発の銃弾がその運命を変えていく…

1988年、ニューヨーク。警官一家に生まれたボビー(ホアキン・フェニックス)は、家業に背を向け、名字を変え、ロシアンマフィアと繋がるナイトクラブでマネージャーとして働いていた。
オーナーのマラットからの信頼も厚く、美しい恋人アマダ(エヴァ・メンデス)と共に、その生活は順風満帆と思われた。
クラブにやって来る凶暴なロシアンマフィアたちともうまくやっていたボビーだったが、
一方で、ニューヨーク市警のエリート警官である兄ジョセフ(マーク・ウォールバーグ)と、二人の父親のバート警視監(ロバート・デュヴァル)は、そのマフィアに目をつけていた。
ジョセフの昇進パーティーに招かれたボビーは、ロシアンマフィア撲滅のための新しい麻薬取締班ができると聞かされる。標的は、マラットの甥であり、クラブに入り浸っているニジンスキーだ。捜査への協力を断ったボビーに、父は「いつかお前は、警察か麻薬組織かどちらかの味方につく。これは戦争だ」と告げるのだった。

遂に、ジョセフによる一斉検挙がボビーのクラブに入った。
ニジンスキーを取り逃がしたものの、麻薬を所持していた手下のロシア人を逮捕したジョセフだったが、手下は自殺し、麻薬の入手経路を知る術を失ってしまう。しかも、その場にいたボビーまでも麻薬の不法所持で捕まってしまった。
ジョセフの計らいで釈放されたボビーだったが、自分の店に踏み込んだ兄との溝は埋まることはなかった…。
しかしその夜、ジョセフが何者かに襲撃され、瀕死の重傷を負って病院に担ぎ込まれる。
捜査に協力しなかった自分を責めるボビーの前に、ニジンスキーが現れた。これを機に勢力を強め、麻薬取引を独占する計画を進めるニジンスキーは、人脈とネットワークのあるボビーを麻薬の売人に仕立てようと企んでいたのだ。
ニジンスキーとの会話から、ジョセフ襲撃の黒幕がニジンスキーだったことと、次の標的が父のバートであることを知ったボビーは、その組織をつぶすため、警察の囮として、アメリカ人が足を踏み入れたことのないといわれるロシアンマフィアの麻薬工場に潜入する。
しかし、落ち着きのないボビーに不信感を抱いたニジンスキーにより、持っていた盗聴器が発見された。間一髪で踏み込んだ警官隊によりニジンスキーは逮捕されたが、ボビーは重傷を負い、警察の囮だったことも、警察一家の息子であることもマフィアに知られ、アマダと共に保護プログラム下での生活を強いられる。

ニジンスキーの裁判を控え、ジョセフが退院したある日、平和を取り戻したかと思われた中、突然、ニジンスキーが脱走したとの報せが入った。
ボビーとアマダの危機を察知したバートは、すぐさま二人の身柄を確保したが、追撃するマフィアの放った一発の銃弾が、ボビーの眼前で、その体を貫いた…。
父の死を目の前で目撃し、泣き崩れるボビー、そして、それを抱きとめるジョセフ。
遂に、別々の道を歩んでいた兄弟の運命が一つになった。
兄と共に父の仇を打つことを決意する弟、ボビー。父の意思を継いでマフィアとの対決を急ぐ兄、ジョセフ。果たして、愛する父親を失った兄弟の復讐は遂げられるのか…

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