Roman Holiday
1953/アメリカ/118分
出演:グレゴリー・ペック オードリー・ヘプバーン エディ・アルバート
監督:ウィリアム・ワイラー
偏差値:64.3 レビューを書く
たった一日の恋 [100点] [参考:5]
このレビューはネタバレを含みます
いわずとしれた有名なメルヘンチックな金字塔的作品です。
そしてハリウッド映画界に彗星のようにオードリーが、デビューしてアカデミー主演女優賞までさらっていってしまった作品でもあります。
このアン王女=オードリーといってもいいくらい、まさにぴったり彼女と一致した役柄でした。
王女が登場する最初の舞踏会のシーン。
170センチというスラリとしたスレンダーな肢体に白い正装のドレス。
そして王冠をかぶって微笑むオードリーはもう、演技ではなく王女そのものといった感じです。
対する相手役グレゴリー・ペックもハンサムな俳優です。
ただ、このジョーという役はけっこう、いいかげんに生きていて、いつもお金に困っているぱっとしない新聞記者って感じの役です。
しかし、ペックが演じるとやはり外見のかっこよさ、真面目さが前面に出て、ダサい新聞記者というよりは、王女様を保護する好意的な紳士って感じになります。
やはり、この手の映画にはハンサムな王子様がつきものなので、ジョー役もペックで合っている気がします。
2人が出会ってローマの休日を楽しむ時間はたったの一日でした。
酔っ払いだと思った少女が、次の夜にはまさか自分の胸をこがす女性になるとは、ジョーは思っていなかったことでしょう。
ジョーに恋してしまったアン王女は泣く泣く宮殿へ戻っていきます。
自分の責任、つまり祖国と王室への義務を果たさなければならないからです。
平凡な女性だったら簡単に結婚できるのに、アン王女には叶えられないはるか遠い夢なのです。
抜け出す前の王女は、子供のように侍女に駄々をこねて困らせてましたが、愛を知った王女は見違えるように大人に変身していました。
「たった一日でこんなにも人間て変わるものなのか?」と、王女の変化にびっくりしたものです。
そしてジョーも王女の特ダネを諦めます。彼もここは、けっこうつらいところです。
余談だけど、ジョーの友達のアービング(エディ・アルバート)も気の毒でした。
ジョーに3万リラも貸したのに儲けられなかったのですから・・・。
おまけに彼は結局、特ダネ写真をアン王女にあげてしまいます。
もらった王女はさぞ嬉しかったでしょうね。
ラストの記者会見でのアン王女がいった言葉にはジーン…ときました。
多くの記者たちに対して言ったのではなく、ジョー1人に対しての想いを込めた言葉だからです。
握手をして去っていくアン王女を見つめるジョー。
しばらくその場に立っていたけど、ズボンのポケットに手を突っ込んで会見を後にします。
このシーンは静かです。
音がしません。
なんだかとても、ほろ苦いのです。
単なるおとぎ話から、リアルな大人の恋を感じたラストシーンでした。
きっとローマの休日はアンとジョーにとって、永遠に忘れえぬ思い出となることでしょう。
2008/04/17 23:13
ちりつも
>鉄腕アトム様
コメントありがとうございます。
「ローマの休日」は大好きな映画なのでレビューも
丁寧に書いた記憶があります。
鉄腕アトムさんのコメントで私も久々に見たくなりました。
(*^_^*)
ちりつも (11/01/05 21:46)
非常に簡潔で理解し易い解説ですね。この解説を読んだ
だけでローマの休日の情景が頭に浮かびます。そして
もう1度あの感動を見てみようかな~と思います。
鉄腕アトム (11/01/04 13:26)