2001/日本/115分
出演:真中瞳 堺雅人 中村育二 小市慢太郎 黒坂真美 原田夏希 久保京子 近藤芳正 島木譲二 笑福亭鶴瓶
監督:長澤雅彦
製作:安田匡裕、坂上直行、伊達寛
企画:木村純一、遠谷信幸、川城和実
プロデューサー:小滝祥平、千野毅彦、古川一博
脚本:長澤雅彦、三澤慶子
原案:最相葉月
歌:スガシカオ
撮影:藤澤順一
照明:中村裕樹
録音:小野寺修
美術:富田麻友美
編集:掛須秀一
音楽:REMEDIOS
(データベース登録者:kira)
偏差値:62.9 レビューを書く
ま、ええんとちゃいますか [95点]
このレビューはネタバレを含みます
「進ぬ電波少年(知ってる人いるかな)」で人気のあった真中瞳と大河ドラマ「新撰組」の山南役でブレイクする前の堺雅人が共演した作品であり、「ま、ええんとちゃいますか」は劇中の堺雅人の口癖である。
いい作品であるが、この映画が日本映画史上に残る名作であるとは思わないし、酷評する人もいるかも知れない。
しかし数年前、仕事や人生に疲れ、毎日のようにこれでいいのだろうかと自問自答していた時、偶然TVでこの作品に出会えたことは私にとって幸運であった。
堺雅人が笑顔で言う「ま、ええんとちゃいますか」を聞いた時、それまで悩んでいた自分が何だか馬鹿馬鹿しくなり、「これでいいんだよ」と思うことができ、本当に心が軽くなったことを昨日のことのように覚えている。
あらすじは次のとおりである。(ネタバレあり)
東京の広告代理店に勤める新入コピーライターの相葉志乃(真中瞳)は上司との不倫が原因で大阪支社の営業部に異動となり、そこで新入社員の奇妙な青年、前野悦朗(堺雅人)と出会う。
いつも飄々としていて多少のことには動じない彼の口癖は「ま、ええんとちゃいますか」
全てをその言葉でやりすごし、人の心を見透かしたような言動をする前野を最初は疎ましく思っていた相葉は、やがて大阪での仕事や同僚にも慣れ、次第に前野とも心が通いあうようになることで忘れていた自分を徐々に取り戻していく。
しかし前野が全てをその言葉でやりすごしてきたのには、彼の妹しか知らない理由があったからである。
(ここから結末まで記載あり。)
前野は心臓に病気を持っていたため入退院を繰り返しており、ポスターの仕事を任せられた相葉が雪原で撮影をした帰り、疲れてバスで眠っていると上司の携帯に前野の訃報の知らせが入る。
数日後、前野のいないアパートの部屋を訪れた相葉はその部屋に住んでみようと考え、1人でこう呟く。
「私、もう少しここにいてもいいかな・・・・ええんとちゃいますか。」
映画初主演の真中瞳がそれまでとは全く違った魅力を見せてくれる作品であり、日本の微笑みの貴公子と言われる堺雅人の笑顔が忘れられない作品であり、何より私の生き方をも変えてくれた忘れがたい作品である。
2008/10/28 22:00 (2009/11/07 06:28修正)