Halloween
2007/アメリカ/ザナドゥー/109分
出演:マルコム・マクダウェル シェリ・ムーン・ゾンビ タイラー・メイン ウド・キア
監督:ロブ・ゾンビ
http://www.hallo-ween.jp/
偏差値:58.7 レビューを書く
恐怖度100%哀しさ80% [90点] [参考:1]
このレビューはネタバレを含みます
【ハロウィン】
日本にハロウィンという行事はない。
なんとなく知っている気にはなっているが定かではない。
ということで、とりあえず調べてみた。
ハロウィンとは、カトリックの諸聖人の日(万聖節)の前晩(10月31日)に行われる伝統行事だそうである。
ケルト人の収穫感謝祭がカトリックに取り入れられたものらしい。
10月31日の夜、カブをくりぬいた中に蝋燭を立てて「ジャック・オー・ランタン」(お化け蕪)を作る。
この映画でも、色々な場面でこのお化け蕪は画面に映る。
魔女やお化けに仮装した子供達が「トリック・オア・トリート(Trick or treat. お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」と唱えて近くの家を1軒ずつ訪ねる。
マイケル・マイヤースが被るマスクはこの仮装用のものだろう。
家庭では、蕪の菓子を作り、子供たちは貰ったお菓子を持ち寄り、ハロウィン・パーティーを開いたりする。
マイケル・マイヤースの家では、姉貴は彼氏といちゃつくのに忙しく、父親は飲んだくれ、母親は稼ぎに出ている。
ハロウィン・パーティーどころではない。
学校では上級生から徹底的にいじめられている。
ホラー映画史上に残る不朽の名作、ジョン・カーペンターの『ハロウィン』をリメイクした作品らしいが、マイケル・マイヤースのこの生い立ち部分は新たに付け加えられたものらしい。
この後起きる惨劇の引き金となる重要な背景描写となっていた。
で、マスクかぶったマイケル・マイヤース少年が彼の姉を惨殺する。
【感想】
恐怖度100%哀しさ80%の作品だった。
本当に怖いホラーはなかなかあるものではない。
びっくりしたり、気持ち悪かったりすることはあってもたいていは怖くない。
霊は何も出来ない。まったく怖くないけど一番怖いのは生きた人間のすることだ。
マイケル・マイヤースが次々と暗闇で人を狩る。
実に恐ろしい雰囲気を醸し出していた。
前段の事件から15年後のハロウィンの夜、施設を抜け出したマイケルがむかったのは、生き別れた妹のもと。
自殺した母の墓標を動物の屍でかざり妹をめざす。
いったい何がしたいのか?
徐々に追い詰められていく妹のローリー・ストロード。
廃屋での攻防はまさに手に汗握るものであった。
同じ遺伝子を持ちながら、彼女のとる行動はマイケルと対極にある。
惨劇の原因は、マイケルの先天的な遺伝ではなく生い立ちの影響が大きいのだという製作者の主張を感じた。
ひどい殺人者ではあるけれど、哀しさを感じさせられたのである。
哀しさ80%の所以である。
【音楽】
特に印象に残ったのは、ナザレスの “Love Hurts”。
スローバラードが見事にはまっていた。
ほぼ全編がホラーな中で唯一の場面ではなかったか?
ときどき流れる ブルー・オイスター・カルトの The Reaper も雰囲気を盛り上げていた。
使われていた曲は昔の曲ばかりで新曲なし。
そういえば、最近の映画音楽はオリジナルが少ない気がする。
で、少し調べてみた。
2007年は JUNO/ジュノのサントラが全米アルバムチャートの1位を記録した。
が、シングルヒットはなし。
昔は、映画のサントラからの大ヒットが多かったけど最近の曲は思いつかない。
2000年のチャーリーズ・エンジェル “Independent Women” から無い様だ。
タイタニックのように映画大ヒット、主題歌も大ヒットというパターンが次に起きるのはいつだろう。
2009/08/26 10:13