蛇にピアス
2008/日本/ギャガ・コミュニケーションズ/123分
出演:吉高由里子 高良健吾 ARATA
監督:蜷川幸雄
http://hebi.gyao.jp/
20歳で鮮烈な芥川賞デビューを果たした金原ひとみの「蛇にピアス」を、金原直々のラブコールを受けた72歳の蜷川幸雄が、
遂に映画化。ヒロインには、映画初主演の吉高由里子。
舞台・映画を通して数多の金の卵を発掘し、潜在的魅力を引き出す千里眼には定評のある蜷川幸雄の、新たなるミューズ。
現代の神話が、ここに誕生する!
<ストーリー>
これは「私=ルイ」の、19歳の物語。
現実味のない世の中で、何かを探し求めた、私の人生の断片。
あの頃、「痛み」だけが、私に生きている実感をくれたんだ。
渋谷の街をふらつくルイ(吉高由里子)は、何をするあてもない19歳。そんな彼女の単調な日々を変えたのは、クラブで出会ったアマ(高良健吾)の一言だった。「スプリットタンって知ってる?」赤毛のモヒカン、眉と唇にピアス、背中には龍の刺青……全く違う世界に住むアマの蛇みたいに割れた舌に、ルイは心を奪われる。自分でも何故だかわからないまま、どうしようもなく激しく。
アマに連れられて行った妖しげな店で、舌にピアスをあけるルイ。拡張を繰り返して穴を大きくし、自分も蛇の舌になるつもりだ。店長のシバ(ARATA)は、全身に刺青、顔中にピアス、アマ以上にパンクな風貌の彫り師で、おまけにサディストだと言う。シバと出会ったルイは、唐突に強く、熱い願いに身を焼かれる──私の体にも最高の絵を刻みたい。
何かを求めて、何かを拒んで、身体改造にひた走るルイ──。
ルイが望んだ刺青は、アマの背中に彫られた龍と、シバの右腕の麒麟。ルイの白い背中で絡み合う龍と麒麟に瞳はない。「飛んで行かないように、目を入れないで」それはアマと一緒に暮らしながら、シバとも密かに関係を持つルイの想いか──。
外見と違って、情けないくらい優しいアマが時折見せる、狂気と見まがう程の独占欲。外見どおり、恐ろしいくらいサディスティックなシバが時折見せる、大人の包容力。
探しても、探しても、生きる意味が見つからない不安で空しい日々の中で、彼らとの恋愛の痛みと、ピアスと刺青による体の痛みだけが、ルイに生きている実感をくれる。危うくも心地よい一瞬一瞬を重ねて、毎日命を繋いでいくルイ。ところが、アマが起こした暴力事件がきっかけで、3人の運命は思わぬ結末へと突き進んで行く……。
9月20日(土) 渋谷シネマGAGA!、シネスイッチ銀座、新宿バルト9、シネ・リーブル池袋 他全国ロードショー
『蛇にピアス』のDVDが2009年1月23日(金)に発売。蜷川幸雄監督が芥川賞最年少受賞金原ひとみ原作の同名小説を映画化した作品。主演は吉高由里子。
9月20日(土)、渋谷シネマGAGA!にて、『蛇にピアス』の初日舞台挨拶があり、蜷川幸雄監督(72)、吉高由里子さん(20)、高良健吾さん(20)、ARATAさん(34)が登壇しました。