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2008/日本/松竹
出演:長野博 つるの剛士 黒部進 森次晃嗣 団時朗 
監督:八木毅
http://ultra2008.jp/

偏差値:52.1 レビューを書く

おじさんにも嬉しいウルトラマン映画 [70点] [参考:1]

この映画の舞台は現在の日本・横浜であるが、これまでのウルトラシリーズとは時間軸を異にするパラレルワールドとなっている。

登場するのは初代ウルトラマン、セブン、新マン、エースとここまではお馴染みの昭和ウルトラマンたちなのだが、平成ウルトラマンのティガ、ダイナ、ガイア、メビウスとなるとおじさんにはどれがどれかよく分からない。

またいくら懐かしい昭和ウルトラマンたちが出演と言ってもスーツだけじゃ誰がやっても同じだなと思っていたが、ところがどっこい数々の出演者に驚かされる。

何とウルトラマンのハヤタ隊員とアキコ隊員、セブンのモロボシダン隊員とアンヌ隊員、新マンの郷秀樹隊員と坂田アキ(彼女はMATの隊員ではありません。)そしてエースの北斗星司隊員と南夕子隊員が当時の役者そのままでそれぞれが夫婦役として登場しているのだ。

またウルトラQのナレーションをしていた石坂浩二が本作でもナレーションを行っている上に、万城目にイデ隊員もちらっと出演したり、何と言っても新マンの坂田アキの兄の坂田健(岸田森)の遺影が坂田モータースに飾られているのには懐かしさで涙がちょちょ切れそうになる。(この言い方、歳がでるなあ(^^ゞ)

もちろん平成ウルトラシリーズの登場人物も、演じている役者はそのままで各隊員がそれぞれのチームの女性隊員と恋人同士として出演しているが、昭和ウルトラシリーズで育った者には前者の面々が何とも嬉しい顔ぶれである。

ストーリーは別世界ではウルトラマンであることを知らずに、こちらの世界では夢を捨てて普通のサラリーマンとして日々を過ごしている3人の平成ウルトラマンたちが、別世界とこちらの世界が交錯したことにより怪獣が出現し、別世界から来たメビウスの呼びかけでウルトラマンであることに目覚め怪獣を倒していくのだが、より強大な怪獣の出現でピンチに陥ったとき、同じく別世界ではウルトラマンであったことに目覚めた昭和ウルトラマンたちの力を借りて怪獣を倒し、本当の自分を取り戻すといったものである。

ストーリー的にはどうなのといった疑問もあるし、出てくる6体の怪獣のうちゲスラはほぼ昔の造形だがパンドンとヒッポリット星人は顔つきが変わっており、他の2体は平成ウルトラシリーズの怪獣のため何の思い入れもなく、最後に出てくる5体が合体した巨大怪獣はもろにCG(それもあまり出来がよくない。)で興ざめなのだが、それを差し引いても昭和ウルトラシリーズの出演者を観ているだけで嬉しくなる作品である。

しかし初代ウルトラマンを代表する怪獣がレッドキングやゴモラやゼットンではなく割とマイナーなゲスラとは、通好みの渋い選択だなあ(笑)

2009/10/17 08:21

kira

参考になりましたか?

愛情のこもったレビューですね。昭和ウルトラマンの「再放送」で育った世代が小さい息子を連れて見に行けるような映画ですね。しかし本物の役者が夫婦役で出てるとはびっくりですね。

シネマガ管理人 (09/10/17 09:14)

この映画は昭和ウルトラシリーズで育った僕には嬉しい設定でした。
テレビではセブンのモロボシダンは瀕死の状態でウルトラの星へ帰って行き、エースの南夕子は月世界人で故郷再興のために冥王星へ旅立ち、新マンの坂田アキはナックル星人の手で非業の死を遂げるなど、パートナーと結ばれることはありませんでした。
だからテレビとリンクしていなくても、この映画で彼らがみんな幸せになっているのが本当に嬉しかったです。

kira (09/10/20 22:14)