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1937/アメリカ
出演:グレタ・ガルボ ロバート・テイラー ライオネル・バリモア 
監督:ジョージ・キューカー

(データベース登録者:ちりつも

偏差値:63.1 レビューを書く

悲恋は永遠に・・・ [95点] [参考:1]

このレビューはネタバレを含みます

ヴェルディのオペラでも有名なアレクサンドル・デュマ・フィスの小説の映画化です。
「椿姫」はこの作品以外にも1921年にアラ・ナジモヴァとルドルフ・ヴァレンティノ等、リメイク版が多数されてるということですが、私にとってガルボの「椿姫」だけでいいって気がします。
それほどガルボのマルグリットは最高に魅力的です。
ガルボだから演じられるマルグリットという感じなのです。

マルグリットは胸をわずらっていて、自分の一生が短いことを察しています。
なので残り少ない命を華やかに楽しく暮らそうと刹那的な生き方をします。
そこに、誠実でマルグリットを心から大切に思っているアルマンが登場し、マルグリットは生まれて初めての真実の恋に目覚めます。
2人は派手な都会のパリから離れて、素朴な田舎での生活を楽しみます。
この時のマルグリットは病気も治りそうなほどアルマンとの幸福をかみしめています。
このシーンはさすがに妖艶なガルボも明るく楽しそうに演じています。
このままここにずっといればいいのに・・・って見ていて心から思ってしまいます。

けれど、アルマンの父親(ライオネル・バリモア)がやってきて、マルグリットに「息子を愛してるならお願いだからあきらめてくれ」と懇願するのです。
アルマンがわが命のマルグリットには「死刑宣告」みたいな残酷なシーンです。
酷いことをいっておきながら、落胆するマルグリットを気遣う父親を見つめる、ガルボの表情が物凄いのです。
ぞっとするくらい冷たくて、それでいて宙を舞うような眼で父親を見つめています。
ガルボならではマルグリットなのです。

アルマン役のロバート・テイラーも若く、ハンサムな紳士でそれなりに魅力があるのですが、やはりガルボの「椿姫」でしょう。素晴らしい作品になっています。
ラストのマルグリットは病いに倒れてもう息絶え絶えの瀕死状態ですが、アルマンが来てることを知って奇跡的に起き上がり、身支度を整えようとします。
最後まで美しい姿で会いたい女心、とでもいうのか痛々しいシーンです。
そして、力尽きてアルマンに崩れかかるように息絶えるマルグリット。

椿の花がポトリと落ちてしまったようなマルグリットの最後でした。

2008/06/09 22:48

ちりつも

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