2008/日本/東宝/120分
出演:竹内結子 阿部寛 吉川晃司 池内博之 玉山鉄二 井川遥 田口浩正 田中直樹 佐野史郎
監督:中村義洋
偏差値:56.3 レビューを書く
映画とTVドラマどっちが面白いか [80点]
本作は映画公開後にTVドラマ化されている。
今さら言うまでもないが、映画とTVドラマには次のようなパターンがある。
映画がヒットしたのでTVドラマ化する場合と、TVドラマがヒットしたので映画化する場合である。
前者は映画とほぼ同じストーリーでTVドラマ化されるが後者は出演者はそのままでTVドラマとはまた違ったストーリーとなることが多い。
「チーム・バチスタの栄光」は前者のパターンなので、順番から行けば映画を観てからTVドラマを観るべきであろう。
映画はサスペンスものと思っていたらコメディ色がけっこう強くてそこがなかなか面白い作品でもあった。(阿部寛はちょっと「トリック」の上田次郎とかぶらなくもないが。)
ただTVドラマを先に観てしまった者としては何となく映画の方がTVドラマのダイジェスト版のように思えてしまったのが残念である。
もちろんTVドラマは映画を観ていることを前提に設定を変えてあり、例えば映画で竹内結子が演じた役をTVでは伊藤淳史が演じ、殺人の手口も全く違うものとなっている。
当然後から作ったTVドラマの方が映画との違いを出せて有利だろうし、同じ原作を映画では2時間弱で描かなければいけないのに対しTVドラマ版では10時間くらいかけて登場人物の背景をじっくりと描けるのだから違っているのは当たり前である。
最も大きな違いはTVドラマでは病院のお荷物的存在のグッチこと伊藤淳司が病院に必要な人物に成長していく姿や、犯人の動機に同情できる部分があることを描いているが、映画ではそのあたりが全く描かれていない点である。
それをよしとするかどうかは別として、映画が面白くなかったわけではない。2時間弱で上手くまとめており、作品としては好きな方である。
ただコメディ色が強すぎる分、シリアスな展開が多かったTVドラマのキャストの方が「チーム・バチスタ」らしいと思えたのは私だけだろうか。
「ジェネラル・ルージュの凱旋」はまだ観ていないが、この作品も伊藤淳司と仲村トオルのコンビでTVドラマ化してほしいものである。
2009/03/16 20:38