キング・コング
King Kong
2005/アメリカ/188分
出演:ジャック・ブラック ナオミ・ワッツ エイドリアン・ブロディ コリン・ハンクス トーマス・クレッチマン ジェイミー・ベル イヴァン・パーク カイル・チャンドラー アンディ・サーキス
監督:ピーター・ジャクソン
製作:ジャン・ブレンキン、キャロリン・カニンガム、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン
撮影:アンドリュー・レスニー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
偏差値:58.4 レビューを書く
リメイクだけど最高の作品です [99点] [参考:1]
33年の同名の名作を現代の技術でリメイクしたものです。僕は元々33年版が大好きだったので、最初これを見るときには罰当たりなんじゃないかという不安があったのですが、見てみると感嘆するばかりで、33年版を遙かに超える傑作になっていました。リメイクという理由で評価を下げる人もいるかもしれませんが、リメイクも理屈は原作ものの小説を映画化することと同じこと。僕はこれこそ映画史上最高傑作といえるものだと思います。
伝わってくるのは33年版への愛。この作品は当時のスタッフに捧げられています。好きでたまらないから作ったという感じです。オタク的なきっかけでありながら、これだけのものを作ってしまうとは本当に驚くしかありません。33年版への愛だけではなく、当時の時代への愛、映画という娯楽への愛、ブロードウェイの愛も感じます。そういった沢山の愛で胸いっぱいの映画です。
CG技術については、コングの毛並み・質感、表情の豊かさ・リアルさ、動きの迫力・重量感と、ディテールまでこだわっていて、CGが映画で使われるようになってから今日まででも最高の出来栄えといっていいでしょう。音響についても他に類がない見事なもので、コングの鳴き声など聞くと鳥肌がたちます。
先日、33年版を見直してみましたが、リメイク版と内容がほとんど同じで驚きました。映画プロデューサーが、売れない女優と出会い、髑髏島へと向かう。その辺のくだりは全く一緒です。恐竜とコングの対決も見れば見るほど動きが同じで、殺し方も、殺した後の仕草もまんまコピーしています。33年版への深い愛を感じます。
リメイク版は、きちんとドラマに動機や裏付けを持たせています。33年版よりも登場人物が多く、コングが出てくるまでのドラマ部も肉付けされています。33年版はドラマ部が唐突で説得力に欠けましたが、リメイク版は物語の本筋を一切改変することなく説得力のあるものに仕上げました。船旅を描く第1部、髑髏島を描く第2部、NYを描く第3部。どれも違った意味で面白く、3時間の上映時間が心地よく過ぎていきます。僕は第1部の「さあ冒険に出かけるぞ」という雰囲気が大好きです。
登場人物は映画撮影班と蒸気船のクルー達。映画撮影班には、監督がいて、主演男優、女優、脚本家、撮影技士、録音技士など、様々なスタッフがいます。一方、蒸気船にも、船長がいて、航海士、機関士、コック、見張りなど、様々なクルーがいます。個性豊かなキャラクターだけでも見ていてワクワクしてきます。両者を明らかに区別して描いたところがユニークで、例えば第3部には船のクルーは1人も登場しません。まるで親子のような関係の黒人航海士と少年水夫のサブストーリーもなかなか見せます。ジャック・ブラックの役は憎めないですね。僕は彼の人間性に惹かれました。どんなことがあってもカメラを離さないこの執念。カメラを手動でジリジリ回す行為が画になります。
本作は俯瞰映像が多い作品でもあります。これが美しい。コングの住処から望む髑髏島の景観は絶景です。多分こういうのもCGで描いてるんでしょうね。極めつけはエンパイアステートビルから見渡す街の朝焼け。33年のNYが細部まで完璧な形で再現されていて、ため息が出ます。カメラワークも絶品ですね。カメラの位置が縦横無尽にダイナミックに移動していきます。クレーン撮影なのか何なのか、いったいどうやって撮っているのやら。コングがビルを登っていくときのカメラの動きは、映画ファンとしてこれほどゾクゾクさせるものはないです。もうこれは見れば見るほど凄い映画です。
2009/05/21 08:32
シネマガ管理人
わからない [60点]
※ネタバレを含むレビューです。
キング・コングがジャングルで暴れたり、その島に生息する未知の生き物と格闘する人間たち
そして、街に連れてこられたキング・コングがまたもや大暴れして、街を破壊する
ドキドキ、スリルのある映画でした
とても面白かったです
が、しかし、そこだけです
ヒロインがキング・コングをかばうシーンが納得いきません
確かに先に攻撃をしたのは人間だから、悪いのは人間の方です
でも、だからと言ってキング・コングを守ることはないと思います
怪獣映画には「愛」の要素はいらない
っと僕は思います
2008/09/20 12:59
ksk
トラックバックはこちらのアドレスから受付しています。トラックバックについて