シティ・オブ・ゴッド

不思議な国ブラジル [97点]

※ネタバレを含むレビューです。
うん、感心。これは面白いです。基本はマフィア系犯罪映画ですが、一般市民の視点から描いた壮大な娯楽大作になっていますね。ストーリーの語り方が最後の最後まで巧妙で手抜かりがなく、思わず「うまいっ」とうなってしまいました。久しぶりに映画らしいダイナミズムを感じました。

ブラジルのスラム街を舞台にした作品ですけど、僕はブラジルという国、ほんとうに何も知らないんだなあと思いましたよ。サッカーやサンバくらいしかイメージがなかったんですけど、これを見てブラジルの見方は180度変わりました。

こんな不思議な国、そうないですね。色々な人種の人がいて、南米なのにポルトガル語を話すし。で、普通に皆さん銃を持って歩いてる。普通に一般人が麻薬を買ったりする。日本の常識が全然通じません。映画はとことんフィクションに徹したかのごとくユーモラスな娯楽映画として作り上げられていますが、これが実話の映画化というから驚きます。

あまり映画とは関係ない話になるけど、これを見て思ったことをひとつ、麻薬を売るのに相当苦労してるんですよねえ。麻薬を包装するかったるさも描かれているし、それぞれのシマ争いみたいなそんな競合相手の悩みまである。麻薬を売ることも、大変なことで、楽してもうけるなんて、悪人にだってできないことなんだなあと実感しました。

2008/06/03 04:08

シネマガ管理人

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