Artificial Intelligence:A.I.
2001/アメリカ
出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント フランシス・オコナー ジュード・ロウ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
(データベース登録者:ちりつも)
偏差値:54.7 レビューを書く
泣きの映画 [95点] [参考:1]
このレビューはネタバレを含みます
この作品は好きでたまらない。
とっても特別な作品。
俳優も、映像も、音楽も、ストーリーもすごく美しくて総合的にマッチしている映画だと思う。
特に映像と音楽は飛びぬけて好きだ。
ストーリーもお伽話でありながら、母と子の愛情やロボット未来社会の問題を提示していて、興味深い内容だ。
スピルバーグ監督の映画でありながら、故スタンリー・キューブリックの映画化したかった作品でもあることが、この映画が他のスピルバーグ作品にはない、クールな内容にもなっているところも気に入ってる。
クールな残酷性のある内容とはいえ、私はこのA.I.少年の母親への想いにどうしても感情移入してしまい、涙してしまう。
もし、キューブリック監督が撮ってたら、多分涙は一滴もでない。(キューブリック作品で泣いたことは一度もない。)
親子愛だけど、私は親子愛としては見てない。
以前、ものすごく人を好きになって、でもその人から見向きもされなかった経験を、私は持っている。
十何年もその人を忘れることができなかった自分自身のその時の、体験がディビッド少年の母親への愛情と重なってしまうからだ。
「私は彼を忘れて未来の人を探し、そして見つめよう!」と決心した。だから進化するロボットのディビットだって、たとえ母への愛情だけをインプットされてたとしても、違う人を好きになっていけばいいのだ!
「あなたはあなたを、愛してくれる人を愛することができる」と見ていて哀れなディビットを励ましたくなった。
それが、真のA.I.でしょう。(な~んてね。)
この作品のラストといったら!
母と逢えたことでディビッドの夢が叶った!叶ったのに、その時間の短さは、一体どう表現すればいいのか!
本当に哀しかったし、ある意味ひどく痛々しい映画でもあった。
見ててあんなに胸がしめつけられることはめったになかった。
この映画、米国ではヒットしなかったけど、私はスピルバーグ作品の中では、1位にしてもいい作品。
日本では大ヒットした。
「A.I.」は日本人が好む「泣きの映画」だと思う。
2008/04/29 22:16