ちょっと違う切り口の映画ニュースをお届けするウェブマガジン


わが母の記

2012/日本/
出演:役所広司 樹木希林 宮崎あおい 三國連太郎  果歩 キムラ緑子 ミムラ 菊池亜希子 三浦貴大 真野恵里菜 
監督:原田眞人
原作:井上靖
撮影:芦澤明子
美術:山崎秀満
照明:永田英則
録音:松本昇和
編集:原田遊人
http://wagahaha.jp

偏差値:56.4 レビューを書く 解説

壊れていく母 [80点] [参考:1]

見舞いに行くたびに小さくなっている気がする母が、以前より明らかに物忘れをしているのを感じている者としては他人事とは思えない作品でした。

役所広司を筆頭に芸達者な人が揃っているので安心して観られますが、中でも次第に壊れていく母親を演じていり樹木希林にはシャレではなく鬼気としたものを感じました。

ただ他人事とは思えないと言いながらも、人気作家である主人公にはかなりの収入があり、家政婦を雇い、別荘も持っているほど裕福な暮らしをしている中で、次第に壊れていく母の介護に苦労する姿を見せられても共感はできなかったですね。まあこれは貧乏人のやっかみかもしれませんが(笑)

井上靖が自身の母親について書いた作品を映画化したものだそうですが、映画で描かれていることの大半が事実だとすれば、母親だけでなく家族のことを題材とした作品も多いようで、作家としてはともかく家庭人としてはあまりいい夫、父そして息子ではなかったように思えました。

家族に対してはやや傲慢で、母親にはある出来事から自分は見捨てられたんだとの思いを持ったまま、それでも老いていく母親を心配せずにはいられない主人公の心の機微を感じさせる役所広司は、潔い軍人とも朴訥な木こりともまた違った演技が相変わらず上手いですね。

2012/06/24 14:42

kira

参考になりましたか?

『わが母の記』樹木希林の舞台挨拶に本木雅弘がサプライズ登場

『わが母の記』樹木希林の舞台挨拶に本木雅弘がサプライズ登場

5月13日(日)、『わが母の記』の”母の日舞台挨拶”が新宿ピカデリーで行われ、母役の樹木希林と原田眞人監督、そして本木雅弘がサプライズで登場した。

トラックバックはこちらのアドレスから受付しています。トラックバックについて