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おかえり、はやぶさ

2012/日本/114分
出演:藤原竜也  三浦友和 前田旺志郎 森口瑤子 田中直樹 カンニング竹山 豊原功補 宮崎美子 大杉漣 中村梅雀 
監督:本木克英
プロデューサー:田村健一、野地千秋、三好英明
製作総指揮:迫本淳一
脚本:金子ありさ
撮影:藤澤順一
美術:西村貴志
編集:川瀬功
音楽:冨田勲
助監督:石田和彦

偏差値:56.4 レビューを書く

親子で楽しめる『はやぶさ』 [80点]

小惑星探査機『はやぶさ』を題材にした実写映画の3作目になります。

前作の『はやぶさ/遥かなる帰還』が技術者の苦悩と努力に焦点を当てたNHKの『プロジェクトX』とするなら、本作はややホームドラマ風と言ったところでしょうか。

その分本作の方が『はやぶさ』の仕組みや目的、飛行経路などが子供にもわかるように解説されているので、親子連れで観るのにはちょうどいいかもしれません。

もちろん本題は『はやぶさ』プロジェクトが成功するかどうかなのですが、それを中心に、火星探査機『のぞみ』のプロジェクトに失敗した父親と『はやぶさ』にエンジニアとして参加している息子の確執、妻の病気の治療ため『はやぶさ』プロジェクトの途中でJAXAを去ることを選んだ職員なども描かれていて、『はやぶさ/遥かなる帰還』よりも技術者の熱気を抑え目にしているのが逆にドラマと上手くかみ合っていると思います。

『はやぶさ』プロジェクトに関わる人の中で私が一番気にいったのは『はやぶさ』の状態を推測したり飛行方針を模索する主人公たちではなく、それによって決まったコマンドを黙々と打ち込む人でした。

目立つ役柄ではないし、失礼ながら役者さんの名前は知らない(映画やドラマではよくお見かけしますが。)のですが、熱くなりがちな現場で常に冷静でいる姿に目をひかれました。

残念だったのは3D版を観たのですが例によって3Dの効果があまり感じられなかったことと、宇宙が舞台なのであの富田勲が音楽を担当しているのですが今一つ印象に残る曲がなかったことですね。

「アメリカの10分の1の予算でこれだけのことをやるためには、日本の技術力は一番でなければならないのです。二番じゃダメなんです。」のセリフにはよくぞ言ってくれたと思いました。

本作には杏が、『はやぶさ/遥かなる帰還』には渡辺謙が出演していますが、未見の『はやぶさHAYABUSA』には渡辺大か南果歩は出演していないのでしょうかね。
もし出演していれば渡辺謙ファミリーが『はやぶさ』3作を制覇となるのですが、さすがにそれはないかな(笑)

2012/04/10 02:38

kira

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