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50/50 フィフティ・フィフティ

2011/アメリカ/アスミック・エース
出演:ジョセフ・ゴードン・レヴィット セス・ローゲン アナ・ケンドリック ブライス・ダラス・ハワード アンジェリカ・ヒューストン 
監督:ジョナサン・レヴィン
脚本:ウィル・レイサー
http://5050.asmik-ace.co.jp/

偏差値:63.5 レビューを書く

脚本家の実話をベースにした作品 [96点] [参考:1]

※ネタバレを含むレビューです。
27歳の普通の青年アダムが突然、がんに冒される。生存確率は50/50(フィフティ・フィフティ)。
突然の余命宣告にとまどいながらも、周りの友人や恋人などに励まされて、抗癌治療を受けながら淡々と闘病生活をしていく。

ストーリーだけを追うとよくある難病モノだけど、他とちょっと違うのは、難病とHコメディをミックスしてる事。
下ネタ系のセリフも多いけど、下品すぎずセンスがいいなって感じたのは、音楽の使い方、キャラクターの妙と映像の美しさかな?
主人公のアダムがいい。見ていて涼しげな爽快感を感じる。
付き合っているGFから「あなたって主婦みたいね」といわれた後の、彼のなんともいえない笑顔でノックアウトされた。
う~ん、アダム役(ジョセフ・ゴードン・レビット)は今後も注目しなければ。
他に、下ネタ連発するアダムの友人カイル(セス・ローゲン)もいい。
いつもがんで体が衰弱しているアダムに、無理やり女をナンパさせたりして「こいつはどうしようもない悪友だわ~。」と思いきや、陰で「がん患者に接する本」とかしっかりと読んでいて、最後の最後まで彼はアダムから離れない。
ちなみにアダムを主婦呼ばわりしたアーティストの恋人は、さっさと看病疲れで他の男と浮気して離れていったけど。

思うに人は、突然がんを宣告されたら「自分は死ぬかもしれない」とたいてい思うだろう。
自分だっていつかは死ぬだろうけど、まだまだ先だとたいていの健康な人は普段は「死」を意識しない。
「がんを宣告される」という事は、自分の意識が変わらざるを得なくなってしまう。
いつもの平凡で何気ない日々が、そんな何気ないものではなくなってくる。
当たり前の日常ができなくなること。
病気に対する怒り、恐れ、不安、くやしさ、悲しさ。
病気になると体の痛みと共に、心の闇がどんどん襲ってくる。
それが一番つらい。

終盤、アダムは抗がん治療剤の効果がないとわかると、すぐ医師から手術となる。
有無をいわさずだ。難しい手術でもしかしたら、そのまま死んでしまうかもしれない。

手術の前夜、アダムは心の思いをある女性にぶつけるシーン。
そして手術の前の友人、家族とのやりとりのシーン。
この2つのシーンは、アダムの心情が自分に強く伝わってきて、それまでのクスクスと可笑しさがこみあげてたコメディから一転して泣かされた。
「お願いです、どうかアダムを殺さないで・・」って祈った。

2012/04/09 15:13

ちりつも

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