Rise of The Planet of The Apes
2011/アメリカ/106分
出演:ジェームズ・フランコ フリーダ・ピント ジョン・リスゴー
ブライアン・コックス トム・フェルトン アンディ・サーキス
監督:ルパート・ワイアット
製作:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー、ピーター・チャーニン、ディラン・クラーク
製作総指揮:トーマス・M・ハメル
脚本:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー
撮影:アンドリュー・レスニー
プロダクションデザイン:クロード・パレ
衣装デザイン:レネー・エイプリル
編集:コンラッド・バフ、マーク・ゴールドブラット
音楽:パトリック・ドイル
シニア視覚効果監修:ジョー・レッテリ
(データベース登録者:kira)
偏差値:56.4 レビューを書く
地球はどちらを選ぶのか [80点]
SF映画の傑作「猿の惑星」の前日談で、猿が人間を支配するほど進化した発端となる出来事が描かれています。
時系列から「新・猿の惑星」と「猿の惑星/征服」とを繋ぐ話しかと思っていましたが、今風の全く新しい解釈がされていました。
VFXを駆使した猿の表情や動きには現在の技術がなければ作り出せないリアルさがあります。
ただ映像がリアルであればあるほど、かつてはそれをメイクアップと役者の演技で見せていたことを考えてしまい、特殊メイクアップアーティストと猿に扮していた役者の凄さをあらためて実感しました。
猿の進化に大きな影響を与えることとなる主人公のウィルにはこのところの活躍が著しいジェームズ・フランコが扮していますが、オリジナル版「猿の惑星」のチャールトン・ヘストンのような強烈な印象はなかったですね。
まあ同じ「猿の惑星」のタイトルを冠していても設定や時代背景が全く違うので、それを求めるのは酷と言うところでしょうか。
「ハリー・ポッター」シリーズではハリーのライバルであるドラコ・マルフォイを演じていたトム・フェルトンが本作では猿の進化の原因の一つとも言える出来事を担う悪役を演じています。
同シリーズでは悪になりきれない敵役でしたが、本作では憎々しいほどの悪役で、年々顔つきが悪っぽくなっていましたから、これからも悪役道を突っ走るんでしょうかね。
いやいや本作の主演ジェームズ・フランコも「スパイダーマン」シリーズでは悪になりきれなかった敵役だったのが今はいろいろな役を演じるようになっているので、同じように今後の活躍を期待しましょう。
そして忘れてはいけないのが主人公の父親役のジョン・リスゴーです。
物凄く怖い悪役に扮することもありますが、「ハリーとヘンダーソン一家」で演じた雪男のハリーを優しく見守るヘンダーソン父さんのことはしっかり覚えています。
本作ではウィルの父親と猿のリーダーとなるシーザーとの交流が重要な意味を持っていますが、その父親がジョン・リスゴーなのでシーザーと心優しい雪男のハリーが重なってしまいました。
最初に本作で描かれた猿が進化した理由を「今風の新しい解釈」と書きましたが、意地の悪い見方をすればそれは今は他の作品でもよく使われているものと似ていると言うこともできます。
例えば本作の猿をゾンビに置き換えれば、どことなく「バイオハザード」に見えてきて、意外性には少し欠けているような気がします。
まあそれでも本作はベタではありますが感動的に作られていていますし、オリジナル版の「猿の惑星」を知らなくても十分楽しむことができるのがいいですね。
もちろんオリジナル版を知っておいた方がより楽しめますが、お薦めは本物の猿が名演技をする「飛べ、バージル」と見比べることですね。
ずいぶん以前の作品なのでおぼろげな記憶ですが、本作との共通点はかなり多いと思います。
2011/10/16 06:56