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2010/日本/東宝
出演:織田裕二 柳葉敏郎 深津絵里 ユースケ・サンタマリア 伊藤淳史 内田有紀 小泉孝太郎 寺島進 佐戸井けん太 小林すすむ 北村総一朗 小野武彦 斉藤暁 小栗旬 
監督:本広克行
http://www.odoru.com

偏差値:50.9 レビューを書く

帰ってきた青島刑事 [80点] [参考:1]

『踊る大捜査線』ファンが長年待ち望んだ新作であるが、ファンの1人としては7年のブランクを忘れてしまうほどすんなりと映画の世界に入って行くことができた。

お馴染みのメンバーの変わらぬやり取りを観ていると、まるでこの7年間も彼らが湾岸署でいろいろな事件を解決していたような気持ちになるのが何とも嬉しい。

『トリック』同様この手の作品はテレビドラマを観ていない人には登場人物の関わりがよくわからないのだが、そこをクリアしている者には大ネタ小ネタが満載で瞬きするのがもったいないくらい楽しい作品である。

いや映画でも『アイアンマン2』などの続編になると第1作を観ていなければストーリーや人間関係がよく分からないのだから、テレビドラマの映画化だからと言って目くじらを立てずに楽しむのがいいのかも知れない。

ただし本作は劇場版第1作のほかにテレビドラマの第1話ともある部分で大きく関わっているため、これから観に行かれる方には事前にこの2つを観ておくことをお薦めしたい。

テレビドラマでは空き地署と言われていた湾岸署であるが、映画の冒頭で映し出される現在のお台場には建物が林立し時代の流れを感じさせる。

あれから13年、登場人物たちもそれなりに年齢を重ねているが、アラフォー少し前の恩田すみれ刑事こと深津絵里がテレビドラマと同じくらい若々しいのは嬉しい限りである。

もちろん主役の青島俊作刑事こと織田裕二も40歳を超えているとは思えない若々しさで、係長に昇格しても以前と変わることなく真っ直ぐに正義のために突き進んでいる。

室井慎次こと柳葉俊郎はそれなりの年齢なのだが、出世して役職が警察庁長官官房審議官警視監察(長くて覚えられん!)となっている彼にはこのくらいの年齢が適当である。

残念な点を挙げるとすれば、やはり和久平八郎こといかりや長介が他界したため出演していなかったことで、『踊るシリーズ』における彼の存在の大きさを改めて感じた。

その風貌から笹野高史が代役をするのかなとも思っていたが、劇中でも和久平八郎は他界しており、これはスタッフ一同が和久平八郎への決別を表わした作品とも言えるのではないだろうか。

また7年ぶりの映画化ということで集められる限りのオリジナルのメンバーを集めているほかに、本作で初登場となる出演者もいるのだが、何しろ登場人物が多いために一人一人の描写が希薄になったとの印象は否めない。

もう少し人物を掘り下げるようなエピソードがあった方がストーリーにより深みが出たのではないかとも思うのだが、これだけの登場人物のエピソードとなるとテレビドラマにでもしない限りそれは無理というものだろう。

ほかにも劇場版第1作では『天国と地獄』から、第2作では『砂の器』から捜査が進展していくのだが、本作ではそのような映画がらみの展開がなかったのも残念である。

と不満な点を並べてみたが、決して本作はつまらない作品ではなく、出演者は水を得た魚のようにそれぞれの役柄を演じており、予想以上に楽しむことができた作品である。

7年ぶりの新作でもお互いに惹かれあいながらも煮えきらなかった青島刑事と恩田刑事の関係はそのままであっため、次回作ではファンが待ち望むような結末を是非描いてもらいたいものである。

2010/07/06 20:40

kira

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