The Hurt Locker
2008/アメリカ/ブロードメディア・スタジオ/131分
出演:ジェレミー・レナー アンソニー・マッキー ブライアン・ジェラティ レイフ・ファインズ ガイ・ピアース デヴィッド・モース
監督:キャスリン・ビグロー
http://hurtlocker.jp/
迷走する軍人、暴走する戦争 [88点]
言わずと知れた、2010アカデミー賞作品賞受賞作品。
イラク戦争において、爆弾処理班所属のジェームズ軍曹を通して描かれる戦争とその中で生きる人間を緊迫感あふれる画面で構成される傑作。
ブレる映像、焦点の合わない画面、不規則にバラバラと切り替わるカット割り。全てが不安定で気持ちが悪い。もちろんこの不快感で戦争という緊張感・不安感を表現しています。このあたりの演出は見事です。ただ、あまりにも不安定なのでカメラがブレるのが嫌な人には向かないかもです。
日本にいるとやはり戦争というのは現実味がありません。TVや映画を通して知る程度で、その中で生きる人々の生活感や考え方などまではよく分かりません。今回の映画でもなかなか主人公を含めた登場人物とシンクロすることはできませんでした。
しかし、それでも映画全体に流れる緊迫感にひかれて映画にどっぷりつかることができました。
実際に戦争と対峙するアメリカではもっと登場人物とシンクロできるところもあるんだろうなぁ、と思いました。
印象に残っているシーンは、ベッカムへの複雑な感情から基地を抜けだし迷走するジェームズ軍曹。暴走する戦争の中、自分の居場所・ミッションの意味、そして戦う意味を探すジェームズは素晴らしい演技でした。
映画を観終わって映画館を出た時、そこに広がるのんびり華やかなショッピングモールの雰囲気に違和感を感じてしまいました^^;
連想作品:「ブラックホークダウン」
2010/03/30 20:28