ちょっと違う切り口の映画ニュースをお届けするウェブマガジン


ウルフマン

The Wolfman
2010/アメリカ/東宝東和
出演:ベニチオ・デル・トロ アンソニー・ホプキンス エミリー・ブラント ヒューゴ・ウィーヴィング ジェラルディン・チャップリン 
監督:ジョー・ジョンストン
http://www.wolfman-movie.jp/

偏差値:--.- レビューを書く 読者レビュー(0)

太古の昔、人間は月と、
恐ろしい約束を交わしてしまった──。

アンソニー・ホプキンス×ベニチオ・デル・トロ二大オスカー俳優ほか豪華キャスト&スタッフで贈る、超一級のサスペンス・ホラー!


 月の引力が最も強くなる満月の夜。神秘の力に野性の本能をかきたてられ、おぞましい殺人鬼へと変貌を遂げるウルフマン。旧約聖書の時代から人々に恐れられ、数々の物語を生みだしてきた伝説の主人公が、アカデミー賞に輝く最高のキャストを得てスクリーンに蘇った。
 主演は、『羊たちの沈黙』と『ハンニバル』のハンニバル・レクター博士として、映画史に残る悪のカリスマ像を創り上げたアンソニー・ホプキンス。共演は、『トラフィック』でアカデミー助演男優賞、『チェ』でカンヌ映画祭の主演男優賞を受賞したハリウッドきっての演技派ベニチオ・デル・トロ。2人の名優が呪われた宿命で結ばれた父と子に扮した本作は、迫りくる恐怖と謎解きの醍醐味に満ちた極上のサスペンス・ホラーだ。
 19世紀末の英国を舞台にした物語は、兄の行方不明の知らせを受けた人気俳優のローレンスが、生家のタルボット城があるブラックムーアの村へ帰郷するところから始まる。到着早々、無残に切り裂かれた兄の遺体と対面することになったローレンスは、怒りと悲しみを胸に犯人の捜索を開始。だが、志半ばにしてウルフマンの襲撃を受けた彼は、自らもウルフマンに変貌し、満月の夜に残虐行為を働くようになってしまう。そんなローレンスをわざと凶行に走らせたうえで、冷酷に警察へ引き渡す父のジョン。彼の不可解な行動の陰には、25年前の妻の死にまつわる恐るべき秘密が隠されていた。果たしてその秘密は何なのか? ローレンスを闇の世界に引きずりこんだウルフマンとは誰なのか? そしてローレンスは、自らの忌まわしい宿命に決着をつけることができるのだろうか!?
 二重三重の謎が巧妙に張り巡らされたドラマは、息つく暇もなくスリリングに展開。自分自身の意志に反して満月の夜にだけ殺人鬼に変貌してしまうローレンスの壮絶な苦悩を映しこみながら、彼よりもおぞましく、よこしまな心を持つ本物の悪の正体に迫っていく。その悪の仮面が剥がれ、すべての謎が解き明かされるクライマックスは、衝撃の連続。本作の脚本を手がけたアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーの代表作『セブン』のクライマックスと同様に、良質のサスペンスならではの驚きと心臓が凍りつくような恐怖をたっぷりと味わわせてくれる。
 そんな作品のクオリティをさらに高めているのが、アンソニー・ホプキンス、ベニチオ・デル・トロの2大オスカー俳優だ。ホプキンスは、当たり役のレクター博士を彷彿させる不気味さで、貴族的な風貌の陰に底知れぬ秘密を隠したタルボット城の城主、ジョンを怪演。かたやプロデューサーも兼ねて作品に参加したデル・トロは、不可抗力によってウルフマンとなったローレンスの葛藤を渾身の力をこめて演じきり、観る者の心に深い感慨を残す。
 脇を固めるキャストにも魅力的な顔ぶれが揃った。ローレンスの亡き兄の婚約者で、ローレンスと惹かれあっていくグエンを演じるのは、『プラダを着た悪魔』と『ヴィクトリア女王 世紀の愛』でゴールデン・グローブ賞候補になったエミリー・ブラント。ウルフマンの事件を追うアバライン警部には、『マトリックス』シリーズのエージェント・スミス役で知られるヒューゴ・ウィーヴィング。また、不思議な力でローレンスの運命を見通す流浪民のマレーバには、『チャーリー』などのベテラン女優、ジェラルディン・チャップリンが扮している。
 監督は、『ジュラシック・パークIII』のヒットメーカーとして知られるジョー・ジョンストン。重厚な悲劇の狭間にウルフマンによるショッキングな殺戮場面をちりばめながら、衝撃のクライマックスに向けてテンションを高めていく演出にベテランの味を発揮。『ジュラシック・パークIII』や『オーシャン・オブ・ファイヤー』で名コンビを組んでいる撮影監督のシェリー・ジョンソンと共に、ゴシックの香り高い独特の映像世界を創り上げている。
 その他のスタッフにも錚々たるメンバーが集結した。1941年のホラー映画の名作『狼男』(日本劇場未公開。後に、「狼男の殺人」の題名でTV放映)を下敷きに、切り裂きジャックのエピソードも取り入れた脚本を執筆したのは、『セブン』のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーと、『ロード・トゥ・パーディション』のデヴィッド・セルフ。19世紀末のムード漂うプロダクション・デザインを担当したのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』のリック・ハインリクス。衣装デザインは、『マリー・アントワネット』などで3度のアカデミー賞に輝くミレーナ・カノネロ。編集は、『地獄の黙示録』と『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞を受賞したウォルター・マーチと、『レッド・オクトーバーを追え!』と『逃亡者』でオスカー候補になったデニス・ヴァークラーが共同で手がけている。さらに、ウルフマンの特殊メイクを、『グリンチ』『PLANET OF THE APES 猿の惑星』などで過去6回アカデミー賞に輝き、マイケル・ジャクソン「スリラー」のPVのメイクアップも務めたリック・ベイカーが担当しているのも、本作をめぐる大きな話題のひとつだ。

4/23(金)より、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー

『ウルフマン』デル・トロが特殊メイクでワイルドに魅せる

『ウルフマン』デル・トロが特殊メイクでワイルドに魅せる

ベニチオ・デル・トロが製作・主演の映画『ウルフマン』のキャンペーンで来日。2010年3月3日(水)、ザ・ペニンシュラ東京にて記者会見を行った。