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Munich
2005/アメリカ/アスミック・エース/164分
出演:エリック・バナ ダニエル・クレイグ マチュー・カソヴィッツ キーラン・ハインズ ジェフリー・ラッシュ ハンス・ツィッシュラー イヴァン・アタル アイェレット・ゾラー 
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー、エリック・ロス
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムズ

偏差値:64.0 レビューを書く

時代背景描写は完璧! [97点] [参考:1]

初めて見た時、ものすごい衝撃が走った作品です。こういうテロ事件が実際にあったことという驚きももちろんですが、政治的な内容を抜きに語っても、70年代を忠実に再現している世界の描写力に何よりも驚かされました。当時のヨーロッパ映画を見ているような、そんなタイムスリップした気分になりました。

キャスティングも地味ながらも素晴らしいですね。こういうキャスティング、大好きです。妻役のアイェレット・ゾラーもまったく気取ってません。暗殺グループもみんな地味でかっこいいです。リーダーと、運転担当、ID偽造担当、掃除担当、爆弾担当、このメンツが何やら渋くてかっこいい。まだダニエル・クレイグは当時無名でしたよね。

この手の犯罪映画などにありがちな気取った感じはほとんど抑えられて、リアリティを重視しているところが物凄く画期的に思えました。事件のほとんどは何も解決せず謎は謎のまま。しかしそのリアリティの中に極上のスパイサスペンス・エンターテインメントを見事にブレンドしたスピルバーグの手腕にはただただ脱帽ですね。

僕が最も気に入っているシーンは暗殺グループが最初のターゲットを銃で撃ち殺すシーン。腰から銃を出すとき、ちょっともたつく感じの演出がうまいです。それまでのアクションやサスペンスにはなかった全く新しいドキドキ感がありました。

2010/02/09 02:36

シネマガ管理人

参考になりましたか?

自身がユダヤ系であるスピルバーグ監督なのでミュンヘンオリンピックで起きたイスラエル選手の悲劇と復讐の虚しさを映画化せずにはいられなかったんでしょうね。

登場する人物の関係が複雑で、映画館で観たときは途中で敵味が分からなくなってちょっと混乱しました。

主演のエリック・バナに「そんなに怒ると緑色の怪物に変身するぞ」といらないことを考えたのが混乱した原因なのかもしれません(^^ゞ

kira (10/02/11 09:17)

敵味方は僕もよくわかりません。それでいいんです。
あの情報屋は結局最後まで何だったのかわかりませんね。
謎は謎のまま。でもこれだけいえるのは彼等が何人か暗殺したことですね。
エリック・バナのリーダーぶりがトロイです(笑)

シネマガ管理人 (10/02/11 12:22)