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ランニング・オン・エンプティ

2009/日本/アムモ/80分
出演:小林且弥 みひろ 大西信満 杉山彦々 角替和枝 大杉漣 菅田俊 
監督:佐向大
http://roe-movie.com/

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ありそうでなかった“リアル”でちょっぴり“ロック”な青春失走ムービー、誕生!

ダラダラと毎日を過ごすだけで、何をやっても中途半端な男。そんな彼氏を困らせるため、バカバカしい陰謀を企てる女。弟に歪んだ対抗心をメラメラと燃やし、自らの肉体を鍛えることに執着する寡黙な兄。そして女にいいように振り回されるグダグダな男たち。巨大な工場やコンビナート群に隣接する、都心近郊のある住宅街。女の狂言誘拐をきっかけに、ひとクセもふたクセもある登場人物たちがさまざまな思惑を持って動きはじめる。一見どこにでもいそうな彼らの、次第に暴かれていくフツーじゃない関係。ナンセンスな笑いと空虚感が混じりあった、これまでにない感触。恋愛映画でもコメディーでもシリアスドラマでもない、明日なきヤツらの姿をあるがままに焼きつけた“青春失走ムービー”が誕生した。あてどもなく駆けめぐる彼らがその先に見るものとは…。空回りする運命の行く末は…。かつて誰も観たことのなかった無情の世界が今、幕を開ける。

主演のどこかヌケてる男・ヒデジ役に『リンダ リンダ リンダ』『ビルと動物園』の小林且弥。スクリーンに映える長身を持て余しつつ、ひょうひょうと適当に毎日をやり過ごすイマドキの若者をリアルに演じる。その恋人、アザミ役に『SR サイタマノラッパー』のセクシーアイドル、みひろ。男たちを翻弄する小悪魔的な魅力を存分にふりまく。アザミの計画に巻き込まれる祐一役に『赤目四十八瀧心中未遂』『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の大西信満。コンプレックスを抱える内向的な男を迫真の演技で体現。また都合よく利用される情けない後輩・田辺役を『パンドラの匣』の杉山彦々が演じるほか、『ラスト サムライ』の菅田俊、『HANA-BI』の大杉漣、『ウォーターボーイズ』の角替和枝といった日本映画界を代表する名優が快演、強烈な存在感を発揮する。

監督は、自主映画ながら劇場公開されたロードムービー『まだ楽園』で脚光を浴び、死刑に立ち会う刑務官の心の揺れを描いた『休暇』では脚本家としても注目を集めた佐向大。商業映画監督デビューとなる本作では、荒唐無稽な物語を乾いたタッチで見事に映像化。秀逸なコメディセンスと高い構成力を発揮し、堂々とした快作をものにした。撮影に『亀虫』『パビリオン山椒魚』など冨永昌敬監督の作品を手がけてきた月永雄太。録音・効果・整音に『人のセックスを笑うな』『パンドラの匣』の高田伸也。また主題歌“EMPTY RUN”を、インディーズで活躍するガレージロック・バンド、ミサイルズが提供している。

<ストーリー>

定職にも就かず、計画性のない日々を送るヒデジ(小林且弥)。いちおうバンド活動をしているものの、メンバーの前田(伊達建士)やコウタ(村上和優)とダラダラつるんでいるだけの様子。同棲している恋人のアザミ(みひろ)は、そんなヒデジへの不満でいっぱい。

ヒデジの誕生日の朝、アザミはヒデジとのケンカをきっかけにある計画を思いつく。それはなんと…狂言誘拐。自分が借金取りに拉致されたことにしてヒデジを脅迫し、金を巻き上げようというコンタンだ。ふたりをよく知る寡黙な男・祐一(大西信満)の家に転がり込んだアザミは、自分に好意を抱く田辺(杉山彦々)も仲間に巻き込んで、いざミッションスタート!

…のはずだったが、ヒデジは相変わらずのマイペース。明日までに50万円用意するよう脅迫電話がかかってきても、慌てるそぶりゼロ。とりあえず金を借りに昔のバイト先のコンビニ店長(大杉漣)やバンド仲間らにあたってみるも、本気度足りずに空振りつづき。一方、オトコを手玉に取るのなんて朝飯前のアザミも、思い通りに動かないヒデジにさすがにイライラ。何度も田辺を偵察に行かせるがなんの成果もなく、祐一は黙々と筋トレを続けるだけ。しかし怒り爆発したアザミの命令によって田辺がヒデジを恫喝、ついに本気になって走り出すヒデジ。

やっと計画が期待通りに動き始めて喜ぶアザミだったが、そんな彼女の姿を見て、今度は祐一の中で何かがはじける。はたして狂言誘拐は成功するのか?徐々に明らかになる彼らの秘密とは?一旦狂った運命の歯車は、誰も手をつけられない勢いでラストに向かって暴走し始める!

2月20日(土)より、池袋シネマ・ロサにてレイトショー!