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The Imaginarium of Doctor Parnassus
2009/イギリス・カナダ/ショウゲート/124分
出演:ヒース・レジャー ジョニー・デップ コリン・ファレル ジュード・ロウ クリストファー・プラマー リリー・コール トム・ウェイツ ヴァーン・トロイヤー アンドリュー・ガーフィールド 
監督:テリー・ギリアム
http://www.parnassus.jp/

偏差値:58.7 レビューを書く 解説

ヒース・レジャーが健在なら [75点] [参考:1]

意外と普通に思えた『ブラザーズ・グリム』とは違い、かつてのテリー・ギリアムくさい世界観が嬉しい作品である。

しかし手作りと合成感に溢れていた『バロン』と比べるとCGを多用した摩訶不思議な世界は見事過ぎて逆に違和感を持ってしまった。

ここはあえて手作り感のある合成にこだわった作品にして欲しかったとも思うのだが、これも時代の流れというものだろうか。

撮影途中で急逝したヒース・レジャーの穴を逆手に取り3人の人気男優を起用することでより不思議さを増したのは怪我の巧妙であるが、何でもありの異世界なら1人ぐらい女優を使う遊びがほしかったところである。

オープニングの見世物小屋の雰囲気にはグッと引き込まれたが、中世の話しだとばかり思っていたら舞台が現代だったのには少しガッカリした。

いやいや徐々に明らかになるストーリーとパルナサス博士の年齢を考えると中世から現代まで脈々と見世物小屋をやりながらある目的のために生き続けていたと考えるべきなのだろう。

本作のストーリーを難解と思うか面白いと思うかは人それぞれであるが、故ヒース・レジャーをはじめとした人気男優4名の豪華な共演(実際には顔を合わすことはないのだが。)を楽しみたい女性ファンも多いのではないだろうか。

実際、映画が終わった時に前の席に座っていた女性2人は「面白かったねー。」と話しながら劇場を出て行った。

ただ物語の起承転結がやたらと気になる者としては、何となく結の部分があっさりし過ぎているような気がして仕方がなかった。

もう少し凝った展開で劇的に終わるのかと思っていたが意外と普通の終わり方でちょっと拍子抜けがした。

これが最初から決められていた結末なのか、ヒース・レジャーが突然他界したためにこうなったのかは定かではないが、ヒース・レジャーが健在ならまた違った終わり方があったのだろうなと考えながら劇場を後にした。

それにしても主役が突然いなくなるアクシデントにもかかわらず上手くまとめあげて映画を完成させたテリー・ギリアム監督とそれに協力したヒース・レジャーの仲間たちには拍手を贈りたい。

2010/02/16 20:08

kira

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