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2009/日本/ティ・ジョイ/104分
出演:小林優斗 柄本時生 本多菊雄 田中隆三 渡辺真起子 江口千夏 宮田早苗 角替和枝 清田正浩 小澤征悦 小林政広 横山めぐみ 岡村剛丈 ベンガル 鈴木亮介 
監督:小林政広
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偏差値:41.0 レビューを書く

タイトル通り [20点]

このレビューはネタバレを含みます

最初と最後のシーンをのぞいて、全く音楽はなく、ナレーションも入らない。その上、「亮」の台詞も極端に少なく、また一人のシーンが多い。見ていると息苦しくなるような、何かわからないが、神経を逆なでされるような居心地の悪さを感じてしまう。
コンビニで商品をくすねること自体、普通ならやってはいけないこと、として小さいころに誰からも言われなかったのか、
亮には罪悪感はないように見える。また、友だちもコンビニで一緒に仕事する少年以外、全く出てこない。他者とのコミュニケーションはなく、ただ生きるために万引きし、葬式代がないために母親の死体をかついで舟に乗せて海に流す。
彼は孤独であり、かつ彼を助ける人は誰もいない。普通の映画なら世話好きなおばさん、とか出てきてもよさそうだが、
小林監督は完全に突き放すかのように亮は一人だけでなんとかしようとする。
田舎なら、周りにおせっかいがひとりやふたり、いそうなのに、とは思うのだが、監督の意図なのだろう。
「ワカラナイ」というタイトルが示す通り、亮からみたら全てがひとりではわからないことばかりなのだろう。
亮の笑う顔はどこにもない。ただ、ラストのワンシーンで一瞬の笑顔があり、そこで救われる。

2010/03/10 22:22

naorema

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