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おとうと

2010/日本/松竹
出演:吉永小百合 笑福亭鶴瓶 蒼井優 加瀬亮 小林稔侍 森本レオ 芽島成美 田中壮太 ラサール石井 佐藤蛾次郎 池乃めだか キムラ緑子 笹野高史 小日向文世 横山あきお 近藤公園 石田ゆり子 加藤治子 
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、平松恵美子
音楽:冨田勲
http://www.ototo-movie.jp/

偏差値:56.6 レビューを書く 読者レビュー(5)

お姉ちゃん、おおきに——。
家族という厄介な、でも切っても切れない絆の物語

東京の郊外で、夫亡きあと小さな薬局を営み、一人娘の小春を育ててきた姉・吟子。大阪で何ひとつ成し遂げないまま歳を重ねてしまった弟・鉄郎。音信不通だった彼が突然、小春の結婚式に現れる。以前も吟子の夫の十三回忌で、酔っ払い大暴れした鉄郎。今日は一滴も飲まないと約束するが、酒を目の前にした鉄郎は我慢できず、酔っぱらって大騒ぎ、披露宴を台無しにしてしまう。激怒する身内の中、鉄郎をかばうのは吟子だけだったが、後日、ある出来事がきっかけで、吟子は鉄郎に絶縁を言い渡してしまう。肩を落として出ていく鉄郎の背中に不吉な予感を覚える吟子だったが……。



東京の郊外で堅実に生きてきた姉(吉永小百合)と、大阪で芸人に憧れいつしか年齢を重ねてしまった弟(笑福亭鶴瓶)との再会と別れを、優しく切々と謳いあげる、笑いと涙にあふれた物語です。山田洋次監督にとっては、2000年公開の『十五才 学校IV』以来10年ぶりの現代劇となります。

早くに夫を亡くし、東京郊外の商店街で小さな薬局を営みながら、女手ひとつで娘を育てる高野吟子役には、名実共に日本を代表する映画女優、吉永小百合。その破天荒な生き方で何かと問題を起こす吟子の弟・鉄郎役には、俳優としても活躍目覚しい笑福亭鶴瓶。

そして、吟子の娘・小春役に蒼井優、小春の幼馴染・亨役に加瀬亮が扮します。また、加藤治子、小林稔侍、石田ゆり子、小日向文世、笹野高史、森本レオら実力派キャストがドラマを紡ぎます。

戦後の昭和に生まれ育った姉と弟の切りようにも切れない絆を、バブル景気の直前に生まれた娘の眼を通して描く本作で、私たちがスクリーンにみるのは、現在とこれからの日本の姿です。

2010年1月30日 全国ロードショー