ちょっと違う切り口の映画ニュースをお届けするウェブマガジン


Apartment 1303
2007/アメリカ/94分
出演:中越典子 古田新太 大谷直子 板谷由夏 深田あき 初音映莉子 松尾敏伸 街田しおん 
監督:及川中
プロデューサー:原田知明
原作:大石圭
脚本:大石圭、佐藤孝昌、及川中
撮影:喜久村徳章
美術:小泉博康
編集:掛須秀一
音楽:三善雅己

(データベース登録者:kira

偏差値:50.0 レビューを書く

1408号室の元ネタ…ではなかった [65点]

このレビューはネタバレを含みます

スカパーの日本映画専門チャンネルで2007年公開作品『1303号室』の見出しを見つけ、そのタイトルからこれは『1408号室』の元ネタに違いないと思って鑑賞した。

大まかなストーリーは、海辺に立つリゾートマンションの1303号室を借りた女性が次々と飛び降り自殺をし、妹を失った姉がその謎を突き止めようとするものであり、設定は似ていなくもないが『1408号室』とは全く別の話であった。

後で調べたら、原作は『呪怨』などホラーもののノベライズ版やホラー小説をたくさん書いている大石圭、監督は『富江』の及川中であったが、映画としてはそれらの作品には遠くおよばないJホラーの1つである。

いや原作、監督、出演者は全て日本人で舞台も日本なのだが、製作資金をアメリカの会社が全額出資しているため製作国はアメリカとなっておりJホラーと言っていいものかどうか。

公式サイトを見ると世界20ヶ国で先に公開し人々を席巻した作品が、日本に逆輸入凱旋公開されたとなっているが、全国公開ではないと思われるため、よほどのホラー好きか主演の中越典子ファンしか知らない作品ではないだろうか。

原作は未読なのでこの作品が原作どおりに映画化されているのか、それともアメリカ公開を考えて変更されているのかは分からないが、祟りの原因となる初音映莉子の演じる怨念が、触手のような長い髪の毛を使って1303号室の住人を窓から引きずり落とそうとする姿は、怨念と言うよりほとんどモンスターと化しており、正直ドン引きしてしまった。(なぜかゴジラの宿敵ビオランテに見えた。)

やはりアメリカでは目に見えない精神的な怖さよりも視覚に訴えるモンスター的な怖さの方がより受けるんだろうなと言うことを実感した作品である。

それにしてもこの映画に登場する不動産業者は1303号室でたくさんの女性が次々と謎の死をとげているのに、素知らぬ顔をして次から次へと部屋を貸し続けており、ある意味こちらの方が現実味があって怖くなってしまった。

もう一つよく分からなかったのが1303号室の秘密の全てを知っていると思われる隣の1302号室に住む少女とその母親の板谷由夏であり、結局最後まで彼女たちの正体は謎で何とも消化不良な気分である。

ホラー映画にしては出演者は豪華で演技派ぞろいであるため、もう少しJホラーの王道的な作り方をしてほしかった作品である。

2009/08/29 09:04

kira

参考になりましたか?