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2009/日本/東宝
出演:上野樹里 木村佳乃 寺脇康文 眞木大輔 小出恵介 田中圭 中尾明慶 高島礼子 北村一輝 北村総一朗 
監督:岸谷五朗
原案:片岡英子
脚本:川崎いづみ
撮影:江原祥二
照明:吉角荘介
美術:清水剛
録音:志満順一
編集:宮島竜治
音楽:大崎聖二
主題歌:福山雅治
http://kvr-movie.com/

偏差値:55.6 レビューを書く

サービス精神満載だがちょっと消化不良 [70点]

岸谷五朗の初監督作品だと思うのだが、ノンストップ・エンタテインメントと銘打ってはいるものの何ともつかみ所のない映画である。

結婚前夜の新婦が誤って隣人の大家を殺害?したことから起こるドタバタ劇であるが、笑いのポイントがなかなかつかめない。

オープニングのミュージカルのような場面が唐突で、全編をこの乗りで進められると辛いなあと最初に思ったのが映画に集中できなかった原因かも知れない。

出演しているのは上野樹里や木村佳乃など喜劇はお手のものの役者がそろっており、深く考えなければそれなりに楽しめるのだが、同じような展開の繰り返しが多く、それが観る側の集中力を削いでいるように感じた。

俳優業の他に舞台の演出も手掛けている岸谷監督なので、初監督の本作ではやたら張り切って自分のやりたかったことを全て詰め込もうとしたのかも知れないが、一生懸命作っているのは伝わってきてもその一生懸命さが見えるところが重く感じられた。

またこの作品のハイテンションぶりから岸谷監督は気心の知れた俳優仲間を集めて映画を撮ったのではないかと思うのだが、監督と出演者が和気あいあいとしながら撮影したような匂いがこの作品にプラスとなったのかマイナスとなったのかは微妙なところである。

舞台の演劇はほとんど見たことがないのだが、この映画が舞台劇なら爆笑するであろう場面も、オーバーアクションすぎると大画面の映画では受け入れにくい気がする。

それとやはり映画で観るミュージカルは歌と演技のバランスが難しいなと再認識した作品でもある。

歌と演技のバランスが上手くマッチすると名作となるのだが、バランスが悪いと歌の部分がやたらうっとおしく感じられる。

岸谷五朗の次回監督作品は今回のようなサービス満点の笑いで楽しませようとする映画ではなく、もう少し落ち着いた内容で楽しませてくれる作品となることを期待している。

2009/09/30 23:45 (2009/10/17 06:27修正)

kira

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