This Island Earth
1955/アメリカ/86分
出演:フェイス・ドマーグ レックス・リーズン ジェフ・モロー ラッセル・ジョンソン ランス・フラー
監督:ジョセフ・M・ニューマン
製作:ウィリアム・アランド
原作:レイモンド・F・ジョーンズ
脚本:フランクリン・コーエン、エドワード・G・オキャラハン
(データベース登録者:kira)
偏差値:50.0 レビューを書く
原題よりもカッコいい邦題 [65点]
このレビューはネタバレを含みます
SF映画好きの人なら1度は見たことがあると思う脳をむき出しにした昆虫形宇宙人と主人公が戦っている写真。
この写真だけでもB級SF映画ファンはワクワクするのだが、実際に映画に出てくる宇宙人はちょっとオデコの大きな人間で地球ではスーツを着ている。
最初の舞台は地球で、メタルーナ星人が世界中から集めた科学者にザーゴン星人に攻撃されている母星を守るための研究をさせているのだ。
だがザーゴン星人の攻撃で母星の危機が迫り、秘密を守るため科学者ごと施設を爆発(おいおい)してさっさと空飛ぶ円盤で帰って行く。
たが爆発直前に施設から逃げ出した男女2名の科学者を捕まえ、なぜか研究の続きをさせるためにメタルーナ星に連れて行く。
しかし時すでに遅く、メタルーナ星に着いた時はザーゴン星人の猛攻撃でメタルーナ星は壊滅状態だったため、再び空飛ぶ円盤で地球に戻り2名の科学者を解放する。
そして彼らを解放した後、空飛ぶ円盤は海に墜落して大爆発しめでたしめでたし。
とまあ何とも訳の分からないストーリーで、ザーゴン星人は一度も姿を見せず、写真でザーゴン星人だと思っていた昆虫形宇宙人は実はメタルーナ星人が作り出したミュータントで番犬のような役で少し出てくるだけであった。
ザーゴン星人によるメタルーナ星への攻撃場面は公開当時はなかなかの迫力だったと思われるが、この作品の邦題を原題とは全く違う『宇宙水爆戦』と名付けたセンスに感心する。
初めはよくあるB級映画だと思いながらこの作品を観ていたが突然あることに気づいてしまった。
まずメタルーナ星であるが、星には外殻があり彼らはその下の空洞となった部分に都市を築いている。
次にザーゴン星人の攻撃方法は、遊星を円盤で引っ張ってきて爆弾代わりにメタルーナ星に次々と落としている。
そう、このメタルーナ星の形が『宇宙戦艦ヤマト』に出てくるガミラス星にそっくりなのである。
そしてザーゴン星人の攻撃方法もガミラス星人が地球を攻撃するために行っていた遊星爆弾とまったく同じなのである。
ただの偶然かそれとも『宇宙戦艦ヤマト』のスタッフが本作にオマージュを捧げたものかは定かではないが、何だか嬉しくなる1本である。
2009/06/18 00:11