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Terminator Salvation
2009/アメリカ/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
出演:クリスチャン・ベール サム・ワーシントン アントン・イェルチン ムーン・ブラッドグッド ブライス・ダラス・ハワード ヘレナ・ボナム・カーター 
監督:マックG
http://www.Terminator4.jp

偏差値:58.2 レビューを書く 解説

ジョン・コナークロニクル第1章 [85点] [参考:2]

これまでのシリーズの匂いを残しつつも、全く異なった近未来に違和感を持たせずに観客をうまく導入しており、新たなターミネーターシリーズの第1章としてはよくできていると感じた。

今回よりスカイネットに抵抗する反乱軍の物語となっているため『マトリックス』に似た世界観になるのではと心配していたが、それとは全く違う終末観であったので安心しそれを堪能できた。

序盤ジョン・コナーの乗ったヘリコプターが墜落するシーンを彼の目線でとらえているカメラワークが見事である。

謎めいたマーカス・ライトの登場やスカイネット基地への奇襲作戦など、映画序盤でのつかみはバッチリであるが、ただ今までのターミネーターファンの全員がこの第1章を受け入れられるかどうかは疑問である。

これまでのシリーズは「サラとカイルvsT-800」、「サラ親子とT-800vsT-1000」、「ジョンと彼女とT-850vsT-X」など、毎回観客の度肝を抜く新型ターミネーターとの戦いが見せ場であったが、本作には主人公の敵となる強大なターミネーターがいないのである。

確かにT-600なるターミネーターのプロトタイプ?がゾンビのように大量に出たり、人間を捕獲する巨大ロボットや水中ロボットも出るのだが、今一つ強大なターミネーターのインパクトに欠けている気がする。

個人的にはバイク型ロボットがお気に入りなのだが、これも強大な敵とはほど遠い存在である。

まあ本作は当初から3部作として製作される新シリーズの導入部になるわけだから、ジョン・コナーを追い詰める強大なターミネーターは次回作に出ることを期待してシリーズを観ていこうと思っている。

順番からいくと次の敵はT-800なのだが、まさか全編デジタルメイクアップしたシュワルツェネッガーを出す訳にはいかないだろから、今後どのような展開になるのか今から楽しみである。

本作にはシュワルツェネッガーが実に絶妙のタイミングで登場し、登場時間は少ないもののやっばり映画『ターミネーター』の顔はシュワルツェネッガーだなと感じさせてくれた。

最新版のTVCMではこのシュワルツェネッガーの登場シーンが使われていて唖然としたが、あれはCMでは出してほしくなかったのが正直な感想である。

あれではせっかくの映画館でのサプライズが台無しではないか。それともそうしなければいけないほど先行上映の結果が芳しくなかったのだろうか。

また、これまでの予告編で使われていた終末観漂う歌が映画では使われていなかったような気がしたが私が聞き逃したのだろうか。

それとこれは監督が意図したのかどうかはわからないが、クリスチャン・ベイルファンには大変申し訳ないが、本作では主役であるはずのジョン・コナーよりも、謎の人物で悲しい運命を抱えたマーカス・ライトに感情移入してしまったのだ。

だからジョンがマーカスを追いつめる場面ではジョンやその仲間の方が悪者のようにさえ観えてしまった。

本作を1つの映画としてみた場合は非常に面白いのだが、こと『ターミネーター』の新シリーズとして観ると、何だこれはと感じる人もいるかもしれない。

しかしこれはやはり全3部作を通して1つの作品として評価するのが妥当だと思うので、これ1作で評価することなく、長い目で見守ってほしい作品である。

今公開されている作品の流れから言って、ジョン・コナーの最大の敵はスカイネットでもターミネーターでもなく『ROOKIES -卒業-』だったとならないことを祈りたい(笑)

2009/06/13 04:22

kira

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