東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
2007/日本/松竹/142分
出演:オダギリジョー 樹木希林 内田也哉子 松たか子 小林薫 冨浦智嗣 田中祥平 谷端奏人 荒川良々
監督:松岡錠司
原作:リリー・フランキー
脚本:松尾スズキ
偏差値:64.5 レビューを書く
母に感謝! [98点] [参考:2]
良い映画でした。久しぶりにじんとくる映画を見ましたねえ。全体に漂う優しい空気、そして生きてる感。もうそれだけでも満足です。
映画を見ていて、僕はずっと母のことを考えていました。映画の中にもありましたが、僕も子供の頃、デパートで迷子になったことがあったことを思い出しました。僕は小さい頃、母に抱っこしてもらった記憶が唯ひとつだけうっすらと残っていまして、そのシーンを見たとき、その記憶がパッとフラッシュバックして、なんだか泣きそうになりました。そして、親に感謝の気持ちでいっぱいになりました(恥ずかしいから僕は親には一切何も言いませんけれども)。
前半のオダギリジョーのダメ息子ぶりがいいですね。大学もサボってばかり。友達と二人でアパートに住んで、色々なサラ金に借金してなまけまくり。でもってどうしょうもなく堕落しきったところで、路上で絵を売ってる荒川良々を見て、今度はその人と一緒にがんばってみるかと、やってみる。でもって借金返済。気持ちよかったなあ。そして母親を東京に連れてくるところ、感動しましたよ。
親に自分が出演しているラジオの下ネタトーク番組のことを内緒にしていても、親はしっかり聴いてくれてたところが最高ですね。あんな最低の番組でも、親は喜んでいた。親は何でも知ってて見守ってるんですね。
でも後半は本当に辛かった。ホラー映画とか全然平気な僕ですが、こればかりは目を背けたくなりましたね。ガンに苦しむ樹木希林さんの演技が本当に生々しくて痛々しかったので。その姿を見て、未来の母の姿を重ね合わせてしまいまして、本当に本当につらかったです。映画を見た翌日夢にまで見ましたとも。
オダギリジョーと松たか子の関係もいい感じに描けていました。とっくに別れてるんだけど、お母さんには黙っているところがいいです。なんだかもう全部が全部良い感じで絵になってるんですよね。映画を見ていて、ここまで映画の中に感情移入できたのはそうありません。これは本当にすごい映画です。
2009/05/10 16:30
シネマガ管理人
トラックバックはこちらのアドレスから受付しています。トラックバックについて